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「そういえばその制服って椚ヶ丘だよな？」
「俺の親と理事長が知り合いでな、中間テストでそれなりにできないと転学させられるんだけど」
「え、っと、、、」
「小六の途中から中二の秋まで。結構ハードル高いよな、、、しかも椚ヶ丘」
キリトはAが肩を落として暗くなるのを見ながら一緒に落ち込んでしまったが、時間あるとき勉強会しような！と元気づけるために明るく声をかける。そんなキリトにAは嬉しそうに薄く微笑んだ。
「しっかしまぁ、あのバクが中三だったわけか。いや最初会ったときは小六、、、え、まじで？？？」
「マジだよ」
「う、うっそだぁ」
「嘘じゃないって」
「クラインが疑うのも少しわかるわぁ」
「リズまで」
Aはムッとしながらマグカップを傾ける。そんなAにシリカは苦笑を漏らしながらそれだけ大人ぽく見えるってことですよ、とフォローするが表情はあまり変わらなかった。
その後はALOの攻略についてなどで盛り上がり、解散の時間になった。
Aは赤羽の言いつけ通りに連絡して、皆で迎えが来るまで待つことになった。
「おじゃましまーす」
「あ、カルマ！」
「楽しかったみたいだね」
「そう見える？」
「見える見える」
店のドアが開き赤羽が入った瞬間Aは満面の笑みで近寄った。周りはコロッと変わった表情に驚きはしたが年相応のような笑顔に微笑ましく見ていた。
赤羽はそんな店の空気を把握し、目の前で嬉しそうに笑っているAを見て心底から愛おしいと思いながら頭を撫でる。幼いころから一緒にいるために兄弟のように育ち、性格故か赤羽はAのことを弟のように可愛がっていた。
そのせいか頭を撫でる癖がついてしまい、たまにAと喧嘩をすることがあるが、それはご愛敬だ。
「本当に仲がいいんだな」
「小さいころから一緒にいるんだ」
「まぁだからこそ、コイツがゲームに閉じ込められていた二年間は生きた心地しなかったよ」
「だから悪かったって」
「あの時無理やり発売日当日にしたんだもんね、他のゲームをする約束だったのに」
「悪かったってー！！！」
やれやれと笑みを浮かべる赤羽の肩をボコスカ殴り続けるAは、もーすぐ余計なこと言うなよと文句をぐちぐち零す。
「じゃあ俺らこっちだから、気をつけて帰れよ？」
「いやそれ俺らのセリフだから」
「今度は一緒にALOプレイしようね」
「おう、その時は誘ってくれ」
終わり
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作者名：咲綾 | 作成日時：2020年3月16日 22時
