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VRMMORPGソードアート・オンラインをクリアして数か月。今病院でも帰還者学校でもない、進学校である椚ヶ丘中学校の旧校舎の前にいる。
前日防衛省特務部らしい、副担任の烏間さんから話を聞き、内容を了承した上でここに来たが、何だこのボロい校舎は。本校舎はとても綺麗だったぞ。
「黒羽君。まずは標的に会ってもらいたいのだが、歩けるか？」
「大丈夫、他の人の前でそんな気を使わないでくださいよ」
「あぁ、わかった」
大丈夫と言いながら差し出された腕の袖を掴む。さすがに歩けないわけではないが疲れた。これで暗殺やら訓練やらやって行けるだろうか？
烏間先生も察しているのだろう、何も言わずに少し前を歩いている。
少々建てつけの悪い扉を烏間先生が開けると、そこには黄色いタコのような生物がいた。
これがこの椚ヶ丘中学校の三年E組の担任らしい。何とも奇妙な生物だ、あのゲームでさえこんな生物はいなかった。今度デフォルメした姿でパソコン内で喋ってもらおうか。作ってみたいソフトがあったしちょうどいいだろう。
「こんにちは、ここで担任をしています。殺せんせーと呼んでください」
「黒羽A」
「えっ、それだけですか!?ちょっとした自己紹介的なモノは!?」
「必要？」
「必要ですよぉっ」
「・・・殺したいと思う相手じゃないと殺せないから、よろしく。殺せんせー」
「それはそれは、そんな君でもこの暗殺教室は大歓迎ですよ」
では行きましょうか。そういう殺せんせーについて行くと、後ろから烏間先生もついて来てくれた。
殺せんせーが先に出席を取った後に紹介する流れらしい。烏間先生と教室の外で待機する。そろそろ座りたいがもう少しだ、我慢するしかない。
「黒羽君大丈夫か？」
「もう少しだから、平気ですよ」
「今日の体育は見学からで大丈夫だ。明日大丈夫そうだったら体力作りから始めよう」
「どーも、」
「では！入ってきてください!!」
「・・・気合入りすぎだろ」
小さくため息を吐き教室の中に入る。
烏間先生も一緒に付いて来るから多分学力や訓練についての説明を少しするのだろう。
「はい！自己紹介をお願いします！」
「黒羽A」
現実世界に戻って初めての学校の教室で、どういうモノかと少し身構えていたが、案外普通で少しホッとする。しかしその中で見慣れた顔を見て内心驚いた。
相手もこちらを見て眼を見開いている。
「足手まといになると思うが、よろしく」
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作者名：咲綾 | 作成日時：2020年3月16日 22時
