君が居たから。4

最後だから ページ8

幸い、山口さんがお酒を飲まず居てくれたから空港まで送ってもらえた


貴「ほんますいません、ドあほな人で」

山「いいって…最後だからさ」



最後かぁ……最後になるんだよな……



坂「ほんまありがとうございます…ほな、行くか」

貴「うん……またねっていい？」

塁「またね…帰ってきたらキャッチボールしよっ」

阿「あぁやろうか…」

努「離れても忘れんといてな？」

山「忘れないよ…」



しみじみとした空気に出発の案内が邪魔をする



坂「ゆー、るー、行くで」

「「待って…ズっ…うぅ……」」

貴「泣かんの…泣いたらあかん…」


そう言う自分も半べそ状態


この仲間ともう野球が出来ないのはつらい

でも、場所は違っても野球はやる


好きなこともできた

好きな人と結婚できた

子供も4人できた

困難と幸せが沢山あった

でも、必ず勇人が隣にいて

辛いときは手を差し伸べ

嬉しい時は抱き合い

……全ては君が居たから



鳥「…ケンカすんなよっ！」

能「また、帰ってきてねっ」


辺り関係なく遠ざかる私たちに叫ぶ



ケンカ沢山するかも…

お正月帰ってこれるかな？





帰ってこれるといいなぁ……








・









お「帰ってくんなっ」









・



えっ……


おばちゃん？



振り向こうと止まる足


お「振り向くなっ」


阻止された体は入り口を向く


お「ええか！みんな家族やっ離れても家族やっあんたが一番わかるやろ！？せやから、せやから……」

貴「うち、帰らんよっ」

坂「A…!?」

貴「大丈夫……心配せんといてっうちお母さんやもん、逃げたり、くじけたりせぇへんもん」



帰っておいでって言ってほしかった…

最後におばちゃんの顔見たかった…

あの温もり感じたかった…




お「ドアホっ…あほ…ぁほ……あっ……」


エントランスに響くおばちゃんの泣き声


泣かないで欲しい

笑顔であってほしい

ずっとその優しさで阪神を支えて欲しい




最後に言わないでおくよ





"さようなら"はほんまの最後の言う言葉やしな






心から言うよ









・









"またねっ"

到着→←出発

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す