＊ ページ37
_ spruce
いつの日かぶりに来た、保健室。
薄いレースのカーテンがかかっている小窓を覗くと
いつもの椅子に先生が座っていた。
「阿部くん、」
卒業アルバムを見ながら 小さく俺の名前を呼んで、頬を拭っている。
初めて見た、先生の涙。
「っ、せんせ、」
気付くと俺は勢いよくドアを開けて、名前を呼んでいた。
「あべ、くん、」
「ねぇ先生、」
「卒業、おめでとう。」
俺が言いかけると、それに被せるように言った。
「ありがとう、ねぇ先生、」
「ん？」
「...... 好きな人、変わった？」
そう聞くと、先生は俯いた。
知ってるよ。素直に言って。
今の貴方の好きな人は俺じゃない。
傷付く為に、ここに来た。
でもそれでいい、俺は強くなった。貴方のおかげで。
変わったって言って。早く。
傷付けるなら早くして。
「っ、せんせ、？」
だけど突然、温かい体温が俺を包んだ。
あの時と変わらない、温もり。
頭を撫でる温かい手。
「変わるわけないでしょ、
俺がどれだけ阿部くんを待ってたか、
どれだけこうやって抱き締められる日を夢見てたか、
好き、大好き、阿部くん..... 」
俺も、先生も、その瞬間に何かが崩れたようで
涙が止まらなかった。
俺たちは今までの時間、何をしていたのか。
こうやって、言ってしまえばよかったのに。
ほんと、素直じゃない。笑えてきちゃうね、先生。
「好きだよ、ずっとずっと先生が好き」
「ふふ、ねぇあの時の約束覚えてる？」
「もちろん」
あの日、貴方に溺れた日。
死ぬつもりだった日。
死ぬと言いながら泣いた日。
死の怖さを知った日。
そして、生きる意味を知った日。
初めて、生きようと思った日。
生きると言った日。
貴方のことが愛おしくて仕方なかった日。
貴方と交わした、約束。
＿＿＿＿＿＿＿ 僕と、付き合ってくれませんか
僕と、付き合ってくれませんか ＿＿＿＿＿＿＿
end
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
貴方が居たから、生きられた。
貴方が居るから、生きる。
全ては、貴方の温もり。貴方の優しさ。
愛おしい貴方へ、ずっと一緒にいて下さい。
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ビューティーコロン(プロフ) - Ryokaz46さん» ありがとうございます！はい、宜しくお願い致します^^* (2021年2月14日 15時) (
レス) id: 2f0dffbd3f (このIDを非表示/違反報告)
Ryokaz46(プロフ) - 続編最高でした！ これからの作品も楽しみにしてます！ (2021年2月14日 15時) (レス) id: 33de97aef7 (このIDを非表示/違反報告)
ビューティーコロン(プロフ) - 繋都さん» ありがとうございます！ハピエンにしました^^* (2021年2月8日 23時) (レス) id: 2f0dffbd3f (このIDを非表示/違反報告)
繋都(プロフ) - 続編ありがとうございました！ くっついてくれてめっちゃ嬉しいです！ これからの作品も楽しみにしてます！ (2021年2月7日 16時) (レス) id: 4143e4b1c4 (このIDを非表示/違反報告)
ビューティーコロン(プロフ) - ひまりんさん» ありがとうございます！実は皆様に好評でしたので、続編書くつもりでいました^^* (2021年2月3日 15時) (レス) id: 2f0dffbd3f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ビューティーコロン
| 作成日時：2021年1月16日 0時
