霞んだ視界 ページ37
涼介side
雄「まぁ、そんなところ。…忘れたいけど。忘れちゃいけない気がするんだ。…山田はどうする？」
「んー。どうしよ笑 なんか、まだ閉じ込めておきたい。」
そういい、カシオレを喉に流し込んだ。
やっぱり今日のカシオレは、いつもと違ってなんだか苦い。
「…ゆうりが帰って来なかったらどうしよ。」
雄「帰ってくるよ。きっと。」
「…俺、あのとき。ちゃんと侑李のこと守れてたかな。」
雄「…山田は十分侑李のこと守れてると思うよ？」
「あははッ。どうだろっ。…でも、そうだといいな。…また決心がついたら、ここに来てもいい？」
雄「うん。…また話したくなったらここに来るといいよ。…少し寝ていく？」
涙とお酒で霞んだ視界に虚しく聞こえる電車の音と、
寂しく温かく包み込む手に、
どこからか切なさが助長し、
どうしていいのか分からなかった。
「んっ。もうちょっとここにいさせてっ。」
雄「いいよ。…ゆっくりどうぞ。」
…お酒か、疲れなのか分からないけど。
意思に逆らうように瞼を閉じた。
それと同時に、ふわっとかけられるブランケット。
…やっぱりここは温かい。
初めて雄也と会ったあの日。
寂しそうな横顔を一瞬見せてくれたけど。
そのあと俺に気づいたときには、優しくこちらを振り向いて遊んでくれたのを思い出す。
あのときからずっと、何か悩みがある度には雄也に会い、雄也に相談していた。
なんだか、自分にお兄ちゃんがいるような気になって。嬉しくて。
あの施設にいた人は大抵、他の人には痛みを計り知れないほどの過去をもつ。
それを優しく包みこんでくれるのが、施設の方々と、周りにいる仲間たちで。
いつか侑李にも伝えなくてはならない日が来るだろう。
そのときに俺はどんな顔をして話したらいいのか分からない。
この過去を、まだ俺はどんな風に受け止めればいいのかも知らない。
…やっぱり寝よう。
窓の外には沢山の家庭から漏れる光や、会社、イルミネーションの灯りが輝かしく街を照らす。
グルグルと渦巻いていた疑問。不安。恐怖。全てを一度閉じ込めた。
カランカランッ____
店のドアが開く音を最後に、俺は夢の世界に落ちた。
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さき(プロフ) - JUMPLOVEさん» 嬉しすぎます！！毎日見に来てくださるなんて、飛んで喜びます！←ありがとうございます！頑張ります！ (2020年4月19日 0時) (
レス) id: 7b1fe2d542 (このIDを非表示/違反報告)
JUMPLOVE - すっごい好きです！毎日見に来てます！！応援してますので、更新頑張ってください！！ (2020年4月18日 23時) (レス) id: e3c5443f13 (このIDを非表示/違反報告)
さき(プロフ) - ゆーさん» 大好きですと、、、すごく嬉しいです！毎日の楽しみだなんて、なんてもったいないお言葉、、！ありがとうございます！頑張ります！ (2020年4月3日 2時) (レス) id: 7b1fe2d542 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - このお話大好きです！毎日の楽しみになってます！さきさんのペースで頑張ってください！ (2020年4月3日 1時) (レス) id: a344f95c5d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さき | 作成日時：2020年3月24日 14時
