・ ページ47
・
ほんとにほんとに最後。
でも気まずいとかそんなのはない。
新幹線。隣の席で肩を並べて座ればいつものように俺らの会話は止まることはない。
「おいし！」
「ほんとおいしそうに食べんね笑」
横で駅で買ったドーナツを頬張ってるAを手放すのは凄く心が痛い。でもAの幸せが俺の幸せだから。
「赤ちゃんか、」
食べ終わったら眠くなったのか俺の肩に頭を預けて夢の中に入ってるA。ちょーかわいい手放したくないって思い始めると辛くて被っていた帽子を少し深く被り直した。
絶対、幸せになってくれないと俺が報われないから。
って最後の最後Aの頬にそっと触れた。
もう俺は涙を拭ってあげれないから泣き虫さんは卒業しろよ。
東京駅について新幹線の改札をでたところ。
「A、」
「え、わく？」
寝起きでふらふらと歩いてたAは湧くんの姿を見つけて目を大きく開く。
「なんで？」
「迎えに来た」
俺を見るAの表情はびっくりしてるけどなんか安心した表情をしていた。
「A今日までありがと、今日からはまた友達な！笑｣
「竜生ごめん」
「謝んないでよ、でも絶対幸せになれよまぁ俺が友達だったら幸せか笑」
最後まで笑ってたい。Aの前では。
おちゃらけて笑ったら俺じゃなくて泣いたのはAで。
「竜生っ、」
「もうほんと泣き虫笑、楽しかったね、湧くんAのことちゃんと幸せにしないと俺また奪っちゃうかも」
「深田が入る隙ないくらい幸せにするから」
「うん湧くんはAのことちゃんと幸せにできるよ、じゃあ俺行くね。またね」
目頭が熱くなってきて、逃げるように2人から背中を向けた。
曲がり角を曲がる前に振り返ったらAは湧くんの腕の中にいて、俺の頬にあたたかい涙が流れた。
あー、俺これが最初で最後の本気の恋なんだろうな。
こんなに好きになったのはじめてだったのに。
「深田、」
角を曲がったところ壁に寄りかかってたのは黒ちゃんとうっちーで、黒ちゃんの目も赤かった。
「ほんとお前ってお人好しだよな失恋した同士仲良くしようぜ｣
って肩を組んできた黒ちゃんが泣き出すからちょっと笑えた。
「じゃあ今日はぱーっと朝からのもう！のんでわすれよう！」
でかいボリュームでいううっちーくん。
2人の優しさに少し心が癒えたそんな気がした。
忘れられない恋をした。
・
ずっとこの時を俺は私は→←切なさも全部なかった時にはできなくて
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 891人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月23日 18時
