違恋 (ページ31)

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知らないまま時をページ31

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「わくくん？？」

「あー、ごめん、なに？」

「あのさ、明日の…」

そう言葉を続けるみりの話はひとつも入ってこなくて

深田のストーリーにあげられたAとのツーショに『付き合った』の文字に混乱することしかできない。

俺に彼女が出来てAに距離をとられてからというもの深田とAの距離がぐんと近づいたことには気づいていた。

最近、深田が付き合い悪いのにも気づいてた。

でもそれは俺がとかじゃなくて黒ちゃんが誘っても、颯太が誘っても「今日忙しいから」とか「今日Aと会うから」って断られ続けていた。

けど、この前の呑み会が終わって夏休みが明けた大学で珍しく1人でいた深田に「Aと付き合ってんの？」と問いかけた時は「付き合ってないよ、ただの友達」って答えられたのに。

あれは嘘だった？それともあの後に付き合った？

『わくくん？大丈夫？疲れてる？』

みりに肩を優しく叩かれて現実に戻る。

「あっ、ごめん、なんか今日疲れてるわ」

「そっか、じゃあみりレポート書いてるからゆっくりしてて」

優しいみりに初めて嘘をついた。

関係ないと言われれば、確かに関係は無い。

でも、きりきりと痛む心臓をみりにバレたくなくて1人になりたかった。

『いつから付き合ってんの？』そう深田にメッセージを送信してから現実逃避をするように目を瞑った。

あぁ、なんかほんとにしんどいかも。

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