違恋 (ページ42)

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さよならに強くなれる時はページ42

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2人でソファにー座ってみる映画。

雰囲気を作り出したくて消した照明。ソファーは大きいはずなのに私の身体は竜生に後ろから包み込まれていてちょっとだけ窮屈だ。

でもその窮屈な感じが愛おしい。

竜生の暖かい体温、香水じゃない優しい竜生の匂い。

「ん、竜生？なーに」

後ろから私の首元にあたる竜生のサラサラの髪。

「んー、旅行行きたいなって、笑」

テレビに流れている恋愛映画を見れば主人公の男の子とヒロインが嘘のない無邪気な笑顔で手を繋いで旅行に行っているという
場面だった。

「行きたくて甘えちゃったの？かわい」

「だって最近Aとお家デートばっかりなんだもん」

「久しぶりに行こっか」

って2週間前に急遽決まって、温泉街にきた。

もう、大学生は冬休みに入っていてコートが必須になった。

「お、かわいいじゃん」

たまにはデートらしくしようよって昨日は竜生と別々に過ごして、駅で待ち合わせた。

「かっこいいじゃん」

顔を見合わせて笑い合う。この雰囲気が私は好きだ。

「荷物持つよ」

なんて私のキャリーケースを一丁前に奪い取って、片手は私の手をしっかりと握っていて、ちょっとだけ胸が苦しくなった。

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