一度変わった時空は変えられないのか ページ37
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「わーく、げんき？」
「元気なわけないだろ」
「拗らせに拗らせたねー」
なんてヘラヘラ笑ってくる颯太。と
珍しく大人しくお酒を飲む手だけを進める黒ちゃん。
たまたま大学であった2人と急遽飲むことになった今日の昼頃。
「黒ちゃんごめん」
「なんであやまるの？悪いことした自覚あんの？」
初めてみた黒ちゃんの鋭い視線に目を逸らしたくなった。
でももう逃げちゃだめ。
「Aのこと好きでいれる自信なくして、逃げた」
「なにそれ」
そういう黒ちゃんの顔は完全に怒っていて、颯太いなかったらこれ俺殴られてるだろうなってなぜか客観視してしまう。
「Aのこと黒ちゃんとか他の奴らが好きなの知ってたからなんか自信失くして、1歩踏み出したらAとの関係変わっちゃうんじゃないかって、、カッコ悪ぃよな俺」
まぁ、深田がAのこと好きなのは全く気づかなかったけど。
あとAが俺に好意を寄せてるのはもしかしたらって感じでほんのり気づいていた。だから余計に怖くなった。
「だっさ、俺の気持ちもなんも分かってないよね、どんだけAが湧のこと好きだったかっ、みりちゃんの気持ちもっぜんぶぜんぶ、」
黒ちゃんの頬から流れる涙を見つめることしかできない。
「湧。湧がそうやって逃げたことでたくさんの人が傷ついたことは忘れないで欲しい。Aも黒ちゃんも深田も、みりちゃんだって」
そう俺の目をそらすことなく話す颯太に自分がしたことの罪悪感が募った。
「でも俺もだ。ごめん湧っ、俺も逃げたから。湧とAが両想いだって勝手に決めつけて、ふたりが幸せになって欲しくてっ、俺も逃げた。Aを好きな気持ちに気付かないふりしたっ、」
「黒ちゃんが謝る必要なんかない。Aから1回離れたらまた友達としてAのこと好きになれるかなって。
だからみりがくれる好きに漬け込んで無理に好きになろうとして、
でもAに距離置こうって言われて友達の座もおりて、
結局みりのこと好きになることもできなくて、俺最低だな。
今になって、すっげえ後悔してる。｣
はじめて恋愛で泣いた。
しかも泣いてる理由が自分がしたことに罪悪感もって泣いて、後悔して泣いてって超ダサいじゃん。
変なプライドが自分も周りもを傷つけた。
「でも、湧のこともう俺は応援できない。俺もちゃんと自分と向き合うって決めたから」
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月23日 18時
