流れる時間と共に ページ20
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そこからの季節の流れは長いようで早くて知らぬ間にマフラーをつける季節を超えてセミがなく半袖の季節になっていた。
正直すぐに別れてるくれるだろうって期待もなかった訳では無い。でもそんな願いは儚く散って、6ヶ月記念日と書かれたストーリーにため息をついた。
それでも季節は巡る。止まることなんてない。
人生そんなもんだ。明日テストだから止まってくれってお願いした時も、発表だから止まってくれって願った時も、
あの時楽しかったな戻りたいなって思った時も
時間は知らぬ顔をして進み続ける。止まることも戻ることもない。
「Aー。どっちがいい？」
「いちご」
アイスのソーダといちごを持って手に揺らす深田と二人きりで過ごすのも半年たった。
もちろん、色んなところに2人でいった。
湧と二人きりで行ったディズニーも海も。
その度に増えていく深田との写真もストーリーも思い出も。
私のぽっかりと空いた穴を埋めるように深田は私を決して1人にはさせなかった。
「A1人にすると俺消えちゃうんじゃないかって思っちゃうんだ、だから俺が大丈夫って思うまでは俺がそばに居たい」
今度は2人きりで見た夜景に2人で泣いた。
でも、ちゃんと楽しかった。2人で大笑いもしたし、湧のことを考える時間も季節とともに減っていって、深田といると楽しいってそう素直に思った。
知らぬ間に私自身も変わったのかもしれない。
「Aあのさ明日久しぶりに呑みいかん？」
「誰と？？」
「橋本先輩に誘われた。ほか誰いるかあんま知らないけど」
「えぇ、瑞稀くんいる？」
「多分いるはずでしょ、橋本先輩いるんだから、」
「じゃあ行こうかなー、」
「ほんと瑞稀くん好きだね笑」
橋本先輩こと涼くんと瑞稀くんは深田の高校時代の先輩。
バイト先にもよく来てくれたり、呑みによく誘ってくれる優しい先輩だ。
特に瑞稀くんは輪に入れない時に私と二人でお話してくれたり、何かと気にかけてくれる。
「深田ずっと隣いてくれる？」
「それはもちろん」
「じゃあ、いく」
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月23日 18時
