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｢で、話って？｣
深田には上手く席を外してもらって向き合った私と湧。
｢湧、昨日のさ、｣
｢あー、付き合ったって話？｣
｢わたし、湧と距離置こうと思ってる、｣
｢は？なんで？｣
泣いちゃダメ。昨日散々泣いたんだから。強くならないと。
｢彼女さん嫌でしょ？私一応女の子だよ？笑｣
｢一応じゃなくても女の子だよ、それに別にそんな重い子じゃないから｣
ずるい。だめだよ、分かってないなぁ、湧は。
｢口に出さなくても心では思ってるはずだよ？｣
｢でも、｣
｢あと、湧インスタのアーカイブとか投稿も私とのツーショは消した方がいいよ、変に勘違いされちゃったら湧も困るでしょ？｣
辛い。痛い。
｢わかった、でもさ俺ら親友だろ？遊ぶくらい｣
｢だめだよ、女の子は繊細なんだよ？｣
やっぱり、私は湧にとっては親友止まりだった。
こんなに辛いなら恋なんてしなかったらよかった。
｢Aには俺がいないと、朝どうやって起きんの？バイトの帰りは？酔った時どうすんの？｣
私は湧に依存していたのかもしれない。
｢もう大丈夫だから笑｣
｢彼女さん幸せにしてあげて？｣
｢…おう、、｣
｢じゃあね、あと湧の家のもの後で深田が取りに行くから。｣
まだ何か言いたげな湧に気付かないふりをして湧に背を向けた。
｢A。｣
｢っ、ふかだっ、｣
｢がんばったね、｣って頭に乗る大きな手。
｢わたしっ、しつれんしたっ、｣
｢悲しいね、｣
声を抑えて泣く私に深田はそれ以上は何も言わなかった。
｢さみしいっ、あいたい、｣
時には嘘をつくことも必要なんだね。
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作者名：にゃん | 作成日時：2023年3月23日 18時
