Twilight 2 ページ6
この夜。
やさしく慰むように、手酷く傷つけるように、私たちはお互いを抱いた。
乱れてこわれてもうどちらの快感かもわからないくらいになってから、やっと暗闇から抜け出せた、と思った。
キスのあと、一筋涙が流れたその瞬間を忘れられない。
ピアノの旋律がどこからか流れてきた。
マーレの人々も楽器を弾くんだねと、ハンジさんのうすくひらいた口からもれる。
「不思議ですよね。
文化も何もかも違うのに、ピアノの音を同じように美しいと思ったり、空や海に想いを馳せたり、…まるで……」
敵じゃないみたいだ。
すくんでしまった私の言葉を、ハンジさんが継いだ。
「…わかるよ。たぶん元々、対立なんてしなくていいんだ。私たちは何も変わらない。
探り合って、受けいれあって、それで……誰も殺されたりなんかしない世界に」
最後はほとんど祈りのようだった。
誰も殺されたりなんかしない世界に、する、したい、でも、どうやって。
胸がえぐられるような痛みが走った。私になにができるだろう。
考えても、私の弱い心では到底太刀打ちできない問題に思えた。
やみくもに戦うだけだ。仲間が死なないように。どこか自身の生を厭わないハンジさんを守れるように。
正義を願うハンジさんのために、人を殺す。
『ごめんなさい』と、血に染まり動かなくなった『誰か』の手に、自分のそれを被せる。
指先で、そっと瞼を閉じてやる。贖罪になどならないその行為。
＿＿＿＿ああ、ほんとうはもううんざりだ。正義とはなんなのだ。
私はハンジさんを抱き締めた。素肌が触れあってくすぐったい。
なめらかとは言えないシーツの感触と衣擦れの音がやけに愛おしくて、じんわり涙が浮かんでしまう。
「ハンジさん……」
「ん、どうしたの？」
「…っハンジさん、ハンジさん……！.....……」
あなたが大好き。
言いたい、でも言えない。このひとの重荷になりたくない。
彼女は優しく、全て見透かした表情で笑った。
透明な波みたいに見える。団長になって、そういう顔をたまにするようになった。
革命を起こせるかな。
分からないけど、このひとと一緒にいたいと願うことが罪になる世界なんて、いっそ壊してしまおうか？
......壊してめちゃくちゃにして、2人ぼっちになってみたい。
私たちはひとつになれないまま眠る。
お久しぶりです【べりる】→←Twilight【団長×104期生】
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ひゅん(プロフ) - べりるさん» べりる様が書かれるハンジさん本当に全部最高すぎます……！嫉妬するハンジさん大好きすぎて…最高すぎます……これからも更新心待ちにしております！ (2022年9月20日 1時) (
レス) @page11 id: 91f22dd67c (このIDを非表示/違反報告)
べりる(プロフ) - ひゅんさん» わあ〜〜ひゅん様...！そんなふうに言っていただけて泣くほど嬉しいです。ありがとうございます߹-߹ 嫉妬するハンジさん(最高すぎますね...)もご期待に添えるようにがんばります..！ꪔ̤̮" (2022年9月19日 2時) (レス) id: f45afe2b02 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅん(プロフ) - またべりる様の作品が見れてとても幸せです…！団長ハンジさん特に大好きなので幸せです…ありがとうございます😭 (2022年8月31日 18時) (レス) @page7 id: 91f22dd67c (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ちなみに「儚い花の女」です。イメージで言えば、（夢主人公）は巨人化できるので、ユミルのような役割で、ハンジは正義の塊としての視点でクリス（ヒストリア）のようなイメージに設定しています。 (2022年8月3日 1時) (レス) id: fe28c3c1bb (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。私も進撃の巨人の夢小説を投稿している身です。もしよろしければ遊びに来てください。お決まりのハンジとの百合展開になっていますので。 (2022年8月3日 1時) (レス) id: fe28c3c1bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べりる | 作成日時：2020年12月12日 4時
