About Her. 2 ページ2
ハンジはよく笑う。
「リヴァーイ！この書類の締め切りさ、一週間くらい延ばしてくれない？雨天時の巨人の生態について興味深い結果が出たんだ！！これはもっと掘り下げるべきだと……」
「テメエ……。クソほど紙束が溜まってんだぞ。それを処理するのは誰だ。俺とエルヴィンだ。」
「わかってる！でもどうしても知りたいんだよ！Aも手伝ってくれるって言うしさ」
こうなりゃこいつは熱湯にぶち込まれようがモブリットに引きずられようが喚きやがる。勘弁してくれ。俺はもう四日寝てねえ。
ハンジはよく勘案する。
「ああ……君か。悪いけど、ここには紅茶もお茶請けもないよ。あるのはこの資金繰り表だけだ」
「そんなもん期待してねえよ。………あいつらからの街土産だ」
「あいつら…？土産？」
ハンジは不思議そうに、受け取った茶色い紙袋に手を突っ込む。
そこから桃色のメッセージカードを引きぬくと、勢いよく椅子にもたれかかった。おいおいおい、口元が緩みまくってるぞ。おかしな声が外に漏れたらどうする。
そして、A、とうわごとのように吐いた後、くるしげだが幸福の色をたたえた隻眼で俺を捉えた。
「はは…。馬車馬のように働くよ」
そりゃ何よりだ、団長。
ハンジは夢想する。
誰よりも理想主義者で、実現のための努力を惜しまねえ。その昔、聖人君主様のつもりか、と聞いたことがあるが、「君って面白いな！」と快活に返されて終わった。こいつに嫌味は通じないと悟った瞬間だった。
ハンジは情が深い。
いつも自分より他人を優先するやつだ。なかでも恋仲であるAへ向ける声は、笑っちまうぐらい甘い。
「行ってくる」
「はい。……お気をつけて」
「ん、ありがとう」
短い会話。だがそれだけでこいつを包んでいた余所行きの殻は剥がれ、二人はごく自然に唇を合わせた。慣れたくもないが、もう誰も驚かなくなった。
たかだか三日だ。とはいえ、「大げさすぎる」と口を挟む気もなく黙っていた。貴族の豚野郎との会食など遅刻したってかまわなかったからだ。
ハンジは、
「おかえりなさい、ハンジさん！」
「A！！ただいま。会いたかった…」
「すごく淋しかったです……！！あれ、なんだかいい匂い」
「んふふ、ばれたか。何だと思う？」
いつも眉間に皺を寄せ、組織の長らしくため息を吐きやがるから忘れていた。
＿＿＿＿Aと笑い合うこいつの表情は、悪くねえ、と思う。
アイドルなんて言わないで【分隊長×調査兵】→←About Her. 【アッカーマンズ視点】
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ひゅん(プロフ) - べりるさん» べりる様が書かれるハンジさん本当に全部最高すぎます……！嫉妬するハンジさん大好きすぎて…最高すぎます……これからも更新心待ちにしております！ (2022年9月20日 1時) (
レス) @page11 id: 91f22dd67c (このIDを非表示/違反報告)
べりる(プロフ) - ひゅんさん» わあ〜〜ひゅん様...！そんなふうに言っていただけて泣くほど嬉しいです。ありがとうございます߹-߹ 嫉妬するハンジさん(最高すぎますね...)もご期待に添えるようにがんばります..！ꪔ̤̮" (2022年9月19日 2時) (レス) id: f45afe2b02 (このIDを非表示/違反報告)
ひゅん(プロフ) - またべりる様の作品が見れてとても幸せです…！団長ハンジさん特に大好きなので幸せです…ありがとうございます😭 (2022年8月31日 18時) (レス) @page7 id: 91f22dd67c (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - ちなみに「儚い花の女」です。イメージで言えば、（夢主人公）は巨人化できるので、ユミルのような役割で、ハンジは正義の塊としての視点でクリス（ヒストリア）のようなイメージに設定しています。 (2022年8月3日 1時) (レス) id: fe28c3c1bb (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。私も進撃の巨人の夢小説を投稿している身です。もしよろしければ遊びに来てください。お決まりのハンジとの百合展開になっていますので。 (2022年8月3日 1時) (レス) id: fe28c3c1bb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：べりる | 作成日時：2020年12月12日 4時
