私から見た不器用な晃さん ページ5
「お疲れさまです」
「………」
ちらりと一瞥されるだけで返事がないのはいつものこと。
晃さんは男性職員には気軽に話しかけるけど女性職員には常に塩対応。
最初は「え！？嫌われてる！？」と思ってたけどいつものことだとわかると気が楽だ。
…そして、こんなに冷たそうなのに本当はすごく優しいことを知っている。
前に私がミスして試合でとった晃さんのデータを消してしまったことがあった。
選手にとって小さなデータも大切。
元選手がほとんどだから、そのデータの大切さを知っている職員にすごく怒られた。
「わかってんのか！？この責任とれるのかよ！？」
「…っすいません…！」
「謝ってすむ問題か！！」
「…っ」
自分の確認不足だ。そのせいで選手に迷惑をかけるなんて許されない。
わかってたことだったが、自分が情けなくてぎゅっと拳を握りしめることで涙を我慢する。
「…オレ、覚えてますよ」
「…！晃」
「第一打席からっすよね。…言うんで、入力してください」
いつから聞いてたのか、いつの間にか現れた晃さんは私に視線を向けた。
…晃さんは、私の失敗をカバーしようとしてくれている。
そう気づくと、「はいっ！」と返事をしてすぐにパソコンの前に座る。
一球目は内側ストレートで、と一球ずつ教えてくれた。
「悪いな、晃…煩わせて」
「いいっすよ。…じゃ」
「…っ晃さん、ありがとうございました！！！」
大きく頭を下げたから晃さんの表情は見えない。
だけど、晃さんは「…気にしなくていいよ」とだけ言って出ていった。
それから、晃さんを目で追うようになって。
時々見せる笑顔とか、…時々私にくれるアドバイスとか。…全部に、惹かれていた。
だけど、あの晃さんだ。
…私のことなんて、眼中にないよ、ね。
「…はい」
「え？」
「………ごめん、なんでもない」
「え、あ、いえ！！ありがとうございます、晃さん！」
「…ん」
突然渡されたお水。
今日は野外球場での試合だからすごく暑い。
暑すぎて顔を真っ赤にしながらみなさんにお水を配っていたら、逆に渡された。
…あ、しかもすごく冷えてる。
少しだけ顔にあてて、一気に飲むと少しだけ体が楽になった気がした。
「晃さん！」
「………？」
「すごくおいしいです！ありがとうございました！」
そう大きな声で伝えると、晃さんは小さくはにかんだ。
その笑顔にきゅっと胸がしまった気がした。
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ren(プロフ) - 花梨さん» コメントありがとうございます(*^^*)インスタにあげていましたね＊あの香水お持ちなんですね！すごいです＼(^o^)／ (2018年9月30日 19時) (
レス) id: 49d1a4d5f3 (このIDを非表示/違反報告)
花梨(プロフ) - こんばんは！小説の更新ありがとうございます。好きな香りについて、彼のｲﾝｽﾀでJo Maloneをあげてました。その香水も買いました。Chloeも素敵な香りですよね。いつも投稿ありがとうございます。とても嬉しいです。 (2018年9月24日 0時) (レス) id: 3cdb6fe2e3 (このIDを非表示/違反報告)
ren(プロフ) - 花梨さん» いつもコメントありがとうございます(*^^*)励みになります＊もどかしい感じを書きたくて笑 お気に召されてたら嬉しいです＊ (2018年7月30日 23時) (レス) id: 49d1a4d5f3 (このIDを非表示/違反報告)
花梨 - 小説の投稿ありがとうございます。綿にくるまれた関係のあの友達以上恋人未満っていうなの関係も素敵ですね。このままがベストなのか、実はお互い好きで、だけど本当の気持ちを言えない・・みたいな。勝手ながらその後想像しながら拝見しました。 (2018年7月27日 0時) (レス) id: 8e34a794c7 (このIDを非表示/違反報告)
ren(プロフ) - 花梨さん» いつもありがとうございます＊ギータさんは本当存在がありがたいです笑これからもよろしくお願いします＊ (2018年7月2日 23時) (レス) id: 49d1a4d5f3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煉 | 作成日時：2018年6月30日 18時
