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101.__ ページ25

Sside



「櫻井の場合、国語、理科、歴公はまあ問題は無い。苦手は数学だ。
英語に関してはもっと高いところを目指してもらう。という事で、俺が東大合格までの本日からの勉強メニューを考えてやったから、これを毎日こなせ。

あ、もちろん授業もちゃんと出るんだぞ?」






俺よりもやる気らしい吉本のテンポについていけずに思わず苦笑いする。


待って、多くないか、コレ。



最近勉強していないもんだから、この量に少なからずの吐き気を覚えた。




それよりも何よりも、何故吉本が急に……。





聞いてみたが、まあ気にするな、の一点張りで。


状況を理解出来ないままで、重い教材と勉強メニューを持って屋上に行った。


……あ。




S「松本!」


J「あ、櫻井。何?その書類みたいな」


S「いや、コレまじでよく分かんねえだろ?
今日急に吉本に呼び、あ、吉本って知ってる?稽爐膿学教えてる先生なんだけど。
ソイツに呼び出されて模試受けてこの状態に至るって感じ。俺もよく分かんないよ、とにかく、東大行くためには勉強が必要らしい」





当たり前のように頷くと、横の松本が笑った。



当たり前だよ勉強するのは、って笑った。



俺は、その顔をみて少し嬉しくなって。



つられて俺も笑った。





俺はコイツが笑っていることが何よりも嬉しくて。


ずっと、笑っていてほしくて。


涙なんて、見たくないんだよ。




J「俺も櫻井に負けてらんないなあ」


S「松本は、外大目指してるんだよな。
俺に英語教えてくれよー」




頭をわしゃわしゃ搔きまわすと、また横でコイツがケラケラ笑って、櫻井なら全部大丈夫だよって背中をポンと叩かれる。


はっきり聞いたわけじゃないけど、松本は英語をもっと話せるようになりたい、いずれ留学もするんだと言っていたから、てっきり東京外大志望なんだと思っていた。




S「お互い、大学行ってもさ、こうやって話せる時間作れたらいいな」



J「んふふ、櫻井って意外と寂しがり?」



まだ大学なんて先じゃん、って上を向く松本。




俺はこの時の彼のこの行動、言動を、何とも思っていなかった。





俺はまだ、自分しか見えていなかった。

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作者名:syuka | 作成日時:2018年7月7日 23時

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