158.＿＿ ページ10
Sside
S「俺だって……
アイツに言うべきことあって、すぐアイツの所行ったんだよ…！なのに、どこにも……」
どこにもいない。
いなくなった……、松本が。
急に全身の力が抜けて、崩れ落ちる膝と手をついた。
今しがた起きている状況を認めたくなくて、首を振った。
するとがっしりと体を掴まれて無理やり上を見上げさせられる。
すんごい表情の大野が俺にガンを飛ばしていた。
O「まだ全部探してないんだろ！？…探せよ。
てか、俺らも探すから」
S「おお、の……」
O「何絶望してんの、まだいなくなったって決まったわけじゃないだろ」
N「思い当たる節に当たって行くしかない。
相葉も呼んで4人で探そう」
その2人の勢いに、崩れ落ちていた心が少しだけ保たれた。
そうだ…俺が探さないでどうする。
コイツら出さえ松本を見つけ出そうとしてるんだ。
俺がここで崩れ落ちてどうする。
とにかくそう自分に言い聞かせてなんとか立ち上がった。
よく行った駅前のコンビニ、公園、自分に思い当たる場所を探した。
無心で。
ただ会いたい一心で。
3人も一緒になって探してくれたが、それでも松本は見つからなかった。
A「いないんじゃなくてさ……
家に戻ってんじゃないの？」
相葉がボソッとボヤいた言葉。
そう、それをすっかり忘れていた。
松本はいなくなったんじゃない。
家に帰ったんだ。
こんなに必死に探していた自分達がバカらしく思えてきた。
S「そうか…(笑)アイツの家行ってみるよ」
と、この時は、4人して笑っていた、
の、だけど。
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作者名：syuka | 作成日時：2019年3月4日 19時
