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Sside
＿＿＿＿
卒業式の朝、松本の家まで迎えに行く。
実は松本の家に来たのは初めてだった。
ドアから顔を出した彼が、いつものようにおはようを言う。
俺も手を挙げて答えた。
まだ肌寒いこの季節、小走りで駅まで急ぎ、電車に揺られながら『もう卒業かぁ、早いな』って一言二言。
この時はまだ、この後のことを想像するなんて。
できないよ、誰も……。
こんな日々がずっと続くと思ってたから。
N「潤！久しぶりだなぁ！」
J「お、ニノ、最近会ってなかったな、今日は卒業おめでとう」
N「潤も。おめでとう。
なんか、やっとって感じだ。……あ、櫻井。
いたんだ」
S「いや気づいてたろ」
学校に着くや否や、正門前で出会ったニノが松本めがけて走り寄ってきてそのまま抱きついた。
ニノもニノで受験が忙しかったんだろう。
いつのまにか『大野組』はなくなっていた。
ニノ曰く『潤がいない大野組なんてある意味ない」らしいが。
俺と目があったニノは面倒くさそうに軽く挨拶してくる。
まだ彼らと出会った頃の事をなんとなく思い出した。
あれから約1年……もう、卒業か。
本当に、この1年は様々なことがあった。
なによりも、コイツに出会ったことが。
J「じゃあ櫻井、また後で。ニノも」
S「ん、また後でな」
卒業式が終わったら伝えよう。
そう決めていた。
俺の気持ちを、松本に。
もし受け入れられなくてもそれは仕方ないと。
俺が言わないと気が済まない。
好きだ。
松本のことが好きだ。
誰よりも。
頭の中で復唱しながら迎えた卒業式。
�砧爐楼討猟蠑�ない卒業式。
でも驚いたことに大野はしっかりと座っていた。
きっと松本が、ちゃんと卒業しろと懇願したんだろう。
「答辞、卒業生代表、……」
.
一連の流れが終わり、教室で担任から今までの感謝やら卒業後の激励やらを頂き、俺たちも担任にプレゼントを渡した。
華やかな雰囲気の中、みんなで写真を撮ったり卒業アルバムに寄せ書きをしあったり。
�稽爐蕕靴い覆辰董�
まあまだ進路の決まっていない面子が大半なんだが。
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作者名：syuka | 作成日時：2019年3月4日 19時
