152.＿＿ ページ4
Sside
S「どうした？」
J「……ありがと、、今まで」
S「えらい急だな(笑)なにその、これで最後だ感。
まだ何も始まってないだろ？明日だろ？
……そんな息吐いている暇あったら単語帳でも見とけって」
J「……だ、な」
気にはなっていたのかもしれない。
態度がいつもと違った事に。
それでも、気がついていないフリをした。
真面目に向き合ってしまうと、また同じ過ちを繰り返してしまいそうだった。
ダメだ、と心の中で制御する。
頭を横に振る。
こんな時に思い出してしまうんだよ。
あの日の松本を。
自分はなんて不埒なんだと、頭に浮かんだ光景を払拭するようにコタツの中に潜り込んだ。
『せめて受験が終わってから』と自分の中で決めたはずなのに。
今にも口から出そうで。
それをどうにか抑制して。
その度に松本は、自分が何か悪い事をしてるんじゃないかと言いたげな顔をする。
そんな顔させたいんじゃない……、って。
思っていても…………。
J「櫻井は、、絶対東大受かってよ」
S「櫻井“は”ってなんだよ。
松本も受かるんだよ、当たり前だろ？
俺たち頑張ってきたんだから」
どうして松本がそんな事を言うのか分からなかった。
ただ、ひとつだけ。
ひとつだけ分かった事があって。
松本と、噛み合わなくなった。
今まではこいつの考えてること、大体理解できたんだ。
だから何て返せばいいか、言葉はすぐに出てきた。
だけど今は……。
くそっ、なんで……。
なんでコイツの考えてることが、、分かんないんだよ。
なんて返せばいいか分かんねえよ。
噛み合わないんだ。
なんか、、ぎこちないんだ。
…俺が悪いのか？
俺が…松本に対して良からぬことを想像してしまうから？
だったら叱ってくれよ。
こんな俺は俺じゃねえって……。
でも、、、お前だって。。
今までのお前じゃねえよ。
……お互いにそれが、言えなかった。
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作者名：syuka | 作成日時：2019年3月4日 19時
