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兄弟 ページ8
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智「怪我の様子は？」
A「額切って縫っただけ。」
私と智君が話していると、
翔は自然と雅紀の傷口を正面から見ていた。
小さい声で翔が何か言った。
みんなで聞き返して、
雅紀も翔に耳を向けると…
翔「バカ！！」
今まで聞いたことのない
すごい大きな声で翔が叫んだ。
…かと思ったら
目をウルウルさせて、
たどたどしく
声が小さくなっていく。
翔「お前がキレることじゃない。わかる奴がわかれば良いだろ！」
雅紀の怪我の経緯は
智君からあらかた聞いていた様で…
翔はそれに対して、怒っている？様だった。
わかる奴だけわかれば良い、
私もそう思った。
一緒だな、翔と。
雅紀「翔ちゃん？」
雅紀はそんな翔に、少し不安げで…
おずおずと声をかける。
そんな雅紀を見てハッとしたのか、
翔は雅紀に「帰るぞ」と
いつもの調子で声をかけた。
一瞬の間があって、
プッと吹き出したのは私。
今更、澄ました顔しても
なかったことにはならないのにと思って。
それでもいつもの翔らしく接する姿がおかしくて。
翔はやっぱりお兄ちゃんなんだなと思った。
翔「おい。雅紀。」
雅紀「しょーちゃーん！」
そして、
翔の心を動かすのは、いつだって…
彼なんだと思った。
翔の一歩後ろを嬉しそうに
楽しそうにフワフワ歩く、
雅紀。
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作者名：砂希流
| 作成日時：2019年2月23日 23時
