大好き ページ13
.
A「どうしたの和也？」
一瞬だけ、潤から目を離した。
はいはい出来るようになって、
和也の嫌がらせもだいぶ落ち着いてたから。
同じ部屋に置いといても
大事にはならないだろうと思って。
何も置いてない部屋だし。
智君と二人で店番していた。
そしたら和也の泣き声が聞こえた。
二人で部屋を覗くと
部屋の真ん中に座って大泣きの和也がいて、
その足元には、
心配そうに和也の顔を覗き込もうと
和也の足に乗っかる潤がいた
和也を抱き上げる智君。
「どうした？」そう聞くけど、
大泣きの和也。
そして潤が智君の足元で、
「にぃに」って呼ぶ。
まるで降ろせと言わんばかりに。
和也を降ろすと潤は嬉しそうに
「にぃに」って言いながら和也に抱きつく。
そして和也は
更に発狂して泣き出す。
潤「にぃに♪」
和也「いや！ぎゃーーーー！！」
真っ直ぐな潤の想いが、和也には重い。
嫌われること、見捨てられること、
無いものにされることには慣れているのに、
無償の愛にはどう返したら良いのかわからない。
それがうちの子達の特徴。
和也は特に、
放置されて育ったから…
自分から手を伸ばさずして来られると困る。
潤は翔や雅紀にも同じようにするけど、
翔は読書に夢中で、さり気なく潤から遠のく。
雅紀は「来んな！」って押しのける。
やんわりと拒絶する翔と、
受け入れない雅紀。
みんな不器用な子ども達。
でも、
仲良くしなさいとは怒れなかった。
潤、強くなりなさい。
そう思うしかなかった。
そして不器用なにぃ達を許して。
いつか潤が
そんなにぃ達を優しく包んであげてね？
私や智君が
いなくなったとしても……
なんて、ね。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 677人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：砂希流
| 作成日時：2019年2月23日 23時
