大野パン屋～家族のおはなし～ (ページ11)

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新しい家族ページ11

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雅紀「これが赤ちゃん？」

和也「赤ちゃん？」

四男、潤。

家に連れて帰ると
みんなベビーベッドを覗いて不思議そう。

みんなとはいえ、翔は寄ってこない。

智「可愛いね～」

和也「可愛い？」

智「和也より小さいなぁ～」

和也「……」

後で考えてみれば、
あれが和也にとって
初めての嫉妬だったのかもしれない。

今まで大人の視線を独り占めしてきたのに、
一瞬にして全部潤に持って行かれて、

それから和也は
潤のことをあまり見なくなった。

…かと思えば、

ベビーベッドに向かってブロックを投げつけたり、
ベッドの柵を掴んで揺らしたり、
突然奇怪な行動に出るようになった。

施設の人と相談し、
里子を施設に返す選択もありだと聞いた。

でも…

それじゃぁ和也はもっと、
赤ちゃんのせいで捨てられたという恨みが残ってしまう。

実子でも下の子に嫉妬するのはよくあることだし、
そのまま継続して預かると決めた。

「何かあっても責任は負えませんよ。」

厳しい言葉に腹をくくった。

でも、私の気持ちは変わらなかった。

うちの子は四人兄弟だって。

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