―SIDE：父 ページ2
.
A「おばあちゃーん！」
和也「ただいま」
母「あら……おかえり。A手洗って。」
実家の鍵を持っては来たが
俺はインターフォンを押した。
なんとなく液晶画面に映らない位置に立つ俺と、
背の届かないAの声。
Aが背伸びをして画面に写ろうと手を振りながら
「遊びに来たよー」と笑う。
インターフォンの向こうで母さんの焦った声がした。
慌てて玄関を開けに来るような足音もする…
多分、
A一人で来たと思ってるみたいだ。
そこに俺もいたから
一瞬どうしたのかと目を見開いて沈黙があったけど
俺とAの荷物の量を見て、察したらしい。
Aのリュックを受け取って
手を洗うように声をかけ、俺に振りかえると…
母「二人しておんなじ格好して。」
そう言って笑った。
確かによく見ると
Aのいた場所は俺の真横で、
俺もAも洋服を入るだけ入れた
パンパンのリュックを背負って並んでそこに立っていた。
それを言われて自覚すると、
ちょっとだけこっぱずかしくなった。
でも母さんは
そう言う意味で言ったわけではないとすぐに分かった。
母「やっと父親になれたのかしら？」
その言葉はすごく意味深で、
母さんの顔は悪戯をしてきた悪女の様で
今までの俺とAの関係が見透かされていたのだと思った。
それと同時に、
知っていたならもっとうまく手助けしてくれてもいいじゃねぇかと
内心反抗してみる。
なんて、
まだ父親になりきれていない今の俺には
まだ早い反抗だという事もちゃんとわかっている。
母親ってすげーな。
俺もこれからはその役割をしていかなければいけない。
そう思うと少しだけ不安で足がすくむ。
一瞬、逃げ出したい思いが頭をかすめるけど…
それはもうできない。
だって……
A「パパ！早く！」
俺はAの父親だから。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1041人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
砂希流(プロフ) - 麻里さん» いつかは全員と会話して欲しいですね〜嵐のツッコミ好きなのでキンプリの天然をツッコんでほしい（笑） (2018年8月14日 2時) (
レス) id: ecb298c279 (このIDを非表示/違反報告)
麻里(プロフ) - 私も嵐にしやがれ観ました！MJのKing & Princeのカラーの所最高に面白かったです！ (2018年8月13日 19時) (レス) id: 5c1238f571 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：砂希流
| 作成日時：2018年8月1日 1時
