04��改竄 ページ46
「はじめまして黄瀬くん。いや、昨日ぶりと言うべきかな」
俺の日常に突如紛れ込んだイレギュラー。入学してから今まで俺のこと覚えとる奴なんか居らんかったのに、どういうことやと疑うのも無理はない。まあそんな状況で懐かんなんて無理な話、彼奴の言葉を疑わず何でも信じ従う……犬みたいやったな、あの頃の俺。
もっとちゃんと、周りに目を向け取ったら。ちゃんと俺自身を見てくれてたAに気付けたのに。
誰、転校生？、というクラスメイトの視線に耐えられず、でも期待して足を踏み入れる教室。今思い返せばおはよう、って俺の目ちゃんと見て挨拶してくれとったやん、隣の席の彼奴。あー、なんで気付かんのや。普通おはようより先に初めまして、とかどこから来たの、とかそういう声の掛け方するやん。なんて全部今更やけど。
________
「どういう心変わりだ？最近のお前、以前とはまるで別人のようだが」
「……………お前には関係ないやろ」
「関係ない、か。連れ無いじゃないか、俺とお前の仲だろう」
「よお言うわ。……散々利用しとっただけのくせに」
そんなつもりはなかったんやけどな、と余裕ありげに笑う目の前の男に心底腹が立つ。Aとは天と地ほどの差、忠告はしたものの彼女の存在を知られれば間違いなく此奴は興味を持つだろう。それだけは何としてでも阻止したいところではあるが果たして俺が”生徒会長”を出し抜けるかどうか。
此奴の嫌らしさは俺が身をもって経験しとる。相手の印象に残るには女装でもすればいいんじゃないか、とかいうふざけた提案を何故か良案だと思い込み髪を伸ばし女子も着用するジャージで一学年を過ごしたのは黒歴史だ。
「好きな女でも出来たか？存在ごと忘れられるお前も恋愛には興味があったか」
「うっせ、ほっとけや。関係ないやろ」
「そうか。……話は変わるが俺は今ある生徒に興味があってな」
はあ？、と眉を顰める俺の目に映るのはいつも通り不敵な笑みを浮かべる男。なんや、何が言いたいんや此奴。野生の勘というか長い間此奴の隣に居たからこそ分かる嫌な予感。まさか、いやAには気付いてないはず……知っとっても関わったことなさそうやったし。
「有栖川Aと言ってな。俺の友人が可愛がっているようで珍しくてな」
全て分かっているとでも言いたげな顔、ほらやっぱりだ。最っ悪だ糞野郎。幸いまだ本人同士の絡みはない様子、この男の魔の手から俺がAを守る。
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すぴのさうるす(プロフ) - まるさん» お褒めのお言葉有難う御座います！お楽しみ頂けますと幸いです。 (6月28日 22時) (
レス) id: d6eb525f65 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 死亡エンドと同じ作者様でしたか。向こうではまだリメイク後の1話のみだった為あまり正確な魅力には気付けませんでしたが、夢中魔法(と略させていただきます)とても好きです。続編楽しんで来ますね (6月28日 2時) (レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぴのさうるす | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2022年10月21日 23時
