◆ ページ5
私の席は一番後ろの窓際、確認もそうだが忘れる前に課題をと思ったのだが教室の隅で膝に顔を埋めている緑の人影が。うちのクラスで緑の服といえば緑色の迷彩柄のパーカーを着ている鳥井希以外いないだろう。私の声が耳に届いたのか勢いよく顔を上げる。
「あ、え……………」
『何やってんの？こんな時間に。あ、もしかして鍵閉められちゃった？だったら中から開ければいいのに……』
私の言葉に信じられないものを見るかのように目を見開き、自身の頬を左右に引っ張る。痛かったのか頬を擦りながら口を開く。
「え、まっ、てお、おれのこと、み、みえるん？」
やってしまった。まさか彼も"普通"ではない生徒だったのか。最悪だ、厄介な人に関わってしまった。追求される前に立ち去ろうと課題を手に取り扉の方へ足を動かす。
が、そんな私の手を掴み離さない鳥井。ゆっくりと振り返るとキラキラと瞳を輝かせ少し頬を赤らめている。
「や、やっぱ、俺のこと、み、みえてるよな……！！」
『………………』
「な、なななんで無視するん！？さ、さっき俺に声か、けてくれたやん…！！」
『………………はあ』
逸らした視線を彼に合わせると余程嬉しかったのか顔を綻ばせる鳥井。私の手を握り、存在を確かめるかのよう触り続けている。
『……ねえ』
「え、あ、な、なに…！！」
『弟、待ってるから手離してくれると嬉しいんだけど』
「え、や、いややっ！！！！」
『はあ………』
ごめん、ショッピ。校門には行けません。
なんて知り合いが最近使っていた文章を思い浮かべる。会った時凄い形相で責め立てられる未来を想像し背筋が凍る。
ああもうほんとに、この学校の生徒はどいつもこいつも面倒くさい性格のやつばかりだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すぴのさうるす(プロフ) - まるさん» お褒めのお言葉有難う御座います！お楽しみ頂けますと幸いです。 (6月28日 22時) (
レス) id: d6eb525f65 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 死亡エンドと同じ作者様でしたか。向こうではまだリメイク後の1話のみだった為あまり正確な魅力には気付けませんでしたが、夢中魔法(と略させていただきます)とても好きです。続編楽しんで来ますね (6月28日 2時) (レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すぴのさうるす | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2022年10月21日 23時
