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鬱島の顔まで数ミリのところでピタッと拳が止まる。こちらに顔を向けるショッピの目は真っ黒で止めなければ人一人ぐらい簡単に手にかけてしまいそうだ。鬱島から体を下ろし私の方へと歩いてくるとそのまま体を預けられる。ぶつぶつと私にだけ聞こえる声量で何度も何度も同じ言葉を繰り返し自身の親指の腹で唇を拭い続ける。いつまでもこの状態で身動きが取れないのはあまり良い状況とはいえない、彼の怒りを何とか沈めなければ。
『ショッピ』
「汚い汚い汚い汚い最悪最悪最悪最悪」
『話出来ない』
「止めんといてや姉さんのためなんやで俺は姉さんのために」
『分かってるから、ちゃんと伝わってるよ』
「ならっ」
勢いよく扉が開かれる音が聞こえ私もショッピも鬱島も、全員の視線がその原因である教室の入口へと向けられる。そこに立つのはコネシマとその後ろから顔を覗かせるゾム。彼はショッピと私、そして鬱島の状況を理解すると高笑いをあげ鬱島の肩をバシバシと音が聞こえる力で叩く。
「大先生やっぱお前Aに手出したんか！」
「シッマ……」
「ええなええなあ！うんうん俺の予知は絶対や！」
『予知……？』
「何も知らんでここまで来るわけないやろ？面白いことが起こるって分かっとるからこのタイミングで来たんや」
何も自信満々にいう事ではないぞ、という気持ちはあるが今はそれどころではない。コネシマと鬱島は友人同士だったのか、だとしたら鬱島が私のことを知っているという事も先程よりは納得出来る。彼ら二人は学内でも噂になるほど能力を使っているのだから同学年、且つ能力者同士。情報を共有しあうのだって何ら可笑しいことではないだろう。コネシマが鬱島の元へと近寄ったことにより一人扉前に立ち尽くしていたゾムは私たちの方へと駆け寄って来るとどういう状況？と私に引っ付いて離れないショッピの背をつんつんと突いている。
『鬱島にき………された』
「……？なんて？」
「それって聞かなきゃいけないことなんですか」
「え、いや……」
「………このままだとゾムさんのこと嫌いになりそう」
「え、も、もももうき、聞かんからっ！！聞かんからそ、そそんなん言わんでっ！！」
慌てて先程の言葉を撤回しショッピに抱き着くゾム。そんなゾムを邪魔だとでも言いたげに私から手を離し引き剝がそうとする我が弟のいつもと変わらぬ様子に少し落ち着く。本人は余計なこと言った、と後悔してそうだが。
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すぴのさうるす(プロフ) - まるさん» お褒めのお言葉有難う御座います！お楽しみ頂けますと幸いです。 (6月28日 22時) (
レス) id: d6eb525f65 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 死亡エンドと同じ作者様でしたか。向こうではまだリメイク後の1話のみだった為あまり正確な魅力には気付けませんでしたが、夢中魔法(と略させていただきます)とても好きです。続編楽しんで来ますね (6月28日 2時) (レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぴのさうるす | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2022年10月21日 23時
