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ショッピの名前なら分かる、弟とお近付きになりたい女子生徒が交渉のため私の名前を把握しているのもまあ不本意だが理解は出来る。下の名前で呼ぶなんてもしかして知り合いだったり？と思い返してみるもののやはり私の記憶の中に彼は存在しない。私の言葉を耳に入れるなりこちらに伸ばしていた手を止めゆっくりとそのまま体の横に下ろす。
「……やっぱり覚えてないんや」
『えっと、ごめん。知り合いだったっけ？』
「気にせんとって、俺が一方的に知っとるだけやから。鬱島大、これからよろしくねAちゃん」
切なげに笑いこちらに手を差し出すウツくん改め鬱島くん。仲良くする理由はないがしない理由も無い、敵に回すと厄介だし友好的な関係を築くとしよう。握り返そうと前に出したその手を後ろからぐいと引かれ、その勢いのまま顔を真っ青に染めたショッピが廊下を急ぎ足で進んでいく。去り際に初めて見た時と同じ笑顔でゆるりとこちらに手を振り続けている彼の姿が視界に入る。やっぱり心当たりないなぁ、うん。
「姉さんアイツはあかんやばい、濁っててドロドロで……気持ち悪い」
『気持ち悪いって……顔色悪いよ、保健室行こ』
先程とは逆に今度は私が手を引き前を進む。扉に手をかけ保健室内に入るがどうやら先生は不在のようだ。取り敢えずベッドに座るよう促し、横になっている間に利用表に名前を書く。まだHRまで時間があるため横にあった丸椅子に腰を掛け様子を伺うと首元に腕が回りぎゅっと抱きしめられる。
『ショッピ？』
「アイツと、仲良する気とか、ないよな……？あかんで、アイツはあかん。お願いやから近付かんで」
『そんなに危ないやつなの？チョロそうっていうか弱そうっていうか、騙すより騙される側の人間ぽいけどね……見た目だけは』
「実際あの女生徒の様子可笑しかったしどう見たってアイツ詐欺師やん……騙される側の雰囲気でも中身は生粋の騙す側、アイツの力の発動条件的にも俺らは心配ないけどでも関わらんに越したことはないから、な？」
体を離し様子を伺うようこちらをのぞき込む様はまるで子供のよう、場違いなのは分かっているが少し笑ってしまう。昔から変わらないな、こういうところは。
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すぴのさうるす(プロフ) - まるさん» お褒めのお言葉有難う御座います！お楽しみ頂けますと幸いです。 (6月28日 22時) (
レス) id: d6eb525f65 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 死亡エンドと同じ作者様でしたか。向こうではまだリメイク後の1話のみだった為あまり正確な魅力には気付けませんでしたが、夢中魔法(と略させていただきます)とても好きです。続編楽しんで来ますね (6月28日 2時) (レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぴのさうるす | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2022年10月21日 23時
