◆ ページ25
「い、いい天気、やね」
『……空曇ってるけど』
急にこちらに近付いてきたかと思うと私の手を取り世間話を持ちかけられる。彼の眼鏡の度は視力に合っていないのだろうか、それにしても見えなさすぎだが。いやあのえっと、としどろもどろあたふたしている彼の手をショッピが引き剝がす。まあそんなことをされ黙っているはずがないのだが彼が口を開くよりも先に先程の恋する乙女先輩が割り込んでくる。
「ねえウツくん、どうして私といるのに他の女に声を掛けに行くの？ウツくんが好きなのは私でしょ、そんなどこにでもいる”ダサい”女なんて放っておいて早く行こうよ」
「は？」
「うげっ」
自身の育ちに育った胸を彼……ウツくん？の腕に押し付け自分を見ろとアピールをする先輩。その光景を見たショッピは嫌なものを見た、と言いたげに表情を歪ませ声を漏らす。私の腕を引きこの場を離れようとしている様子から察するに嫌なものを”見た”のだろう。この場に居続ける理由も無いことだし引かれるままに立ち去ろうと二人に背を向けると背後から声が聞こえる。
「お前ほんまええかげんにせえよ？」
その声色に反射的に振り返る。声も、表情も、私に声を掛けてきた際とは比べ物にならないほど冷たく自分に行っているわけではないと理解しながらも背筋が凍る。ショッピもその場の空気が変わるのを肌で感じ取ったのか足を止め、一歩私の前へと踏み出す。
「さっきからさあ、誰に指図してるん？大人しく俺の言うこと聞いとったらええんに余計なことばっか言いやがって」
「え、あ……」
「黙って言われたことだけやれや」
二人の視線が合ったその瞬間、彼女の目から光が失われその場を後にする。明らかに”普通”ではない様子、何でこう立て続けに出会ってしまうんだ。この男も私たちと同じこちら側の人間。ショッピも同じことを考えていたようで二人してこの現場を立ち去る。
否＿立ち去ろうとした。
「ちょ、ちょ待って普通この状況で俺置いていく！？話しとったやんまだ終わっとらんよ！？」
「はあ！？誰に許可取って気安く姉さんに触っとんねん！！」
「え、Aちゃんに触るの許可制なん…？あ、えと、触ってもええ、かなぁ？」
「許可するわけないやろ離せ女誑し！！」
え、許可って君の？と戸惑うウツくんだが問題はそこではないだろう。というか怒りに囚われているショッピに気を取られ気付くのが遅くなったが
『何で私の名前、知ってるの』
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すぴのさうるす(プロフ) - まるさん» お褒めのお言葉有難う御座います！お楽しみ頂けますと幸いです。 (6月28日 22時) (
レス) id: d6eb525f65 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 死亡エンドと同じ作者様でしたか。向こうではまだリメイク後の1話のみだった為あまり正確な魅力には気付けませんでしたが、夢中魔法(と略させていただきます)とても好きです。続編楽しんで来ますね (6月28日 2時) (レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぴのさうるす | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2022年10月21日 23時
