◆ ページ23
『まただ』
「どうかした......って手紙？」
『そ、最近よく入ってるんだよね。机の中とか靴箱とか、似たような文章書かれてるんだよ』
以前コネシマの預言記事騒動の際見せられた生徒コーナーの誰か宛の熱烈な記事、あれと似たような文章がつらつらと綴られている恋文がここ数日、いや数週間だったか、入れられている。返事をすれば止まるのだろうが肝心の差出人の名前が記載されていないのだ。
『そういえばぴくと、新聞のあのコーナーに書かれてた恋文って誰が頼んだの？文章似てるんだよねあの記事と』
「あー、うーんそれは、ははえっと、あ、先生来たね」
タイミング悪くHRが始まり上手くはぐらかされてしまう。あの反応は絶対に知ってる、口止めされてるのか名前も顔も知らない誰かに。ぴくとから聞き出すのは難しそうだ、だとしたら他の方法を考えなければ。
________
ショッピと昼食を食べる約束をしたため授業が終わるなり部室へと向かう。付いて来ようとしたゾムだったがコネシマと約束をしたのだろう、ごめんっ！と鞄を持ち飛び出していった。丁度二年の階にある空き教室の前を通ろうと足を踏み出した際、真横の扉が開き人が飛び出してくる。手に持っていた弁当箱は音を立て地面に落ち、中身がぶちまけられる。
「え、あ、ご、ごめんっ！」
『うん、大丈夫。気にしないで』
大丈夫なんて嘘だ、私の昼食なくなったよどうしよう。購買商品残ってるかな、食券余裕あるかな今日込み合ってたら買えないよな。諦めてショッピに少し分けてもらおう、ごめん弟よ。
こぼれた弁当を拾ってくれた彼に礼を言いその場を後にしようとすると手を掴まれ物凄いスピードで引きずり何処かへと連れていかれる。その先はどうやら購買のようで残っている品物を端から端まで購入しているようだ。見た目と違って随分と大食いなんだなぁ、と眺めているとそれらを全て入れた袋を握らされる。
『え、なにこれ』
「お詫び、ほんまごめん！！悪気はないっていうか、その...」
『それはちょっと普通に助かるかも。ありがとう』
「いや悪いん俺やし、そうやって割り切って？貰えるとこっちとしても助かるっていうか、ってかそろそろ時間やばいんちゃう？」
『あ、ほんとだ。じゃあまたね黄瀬くん』
え、と戸惑う彼の声が聞こえるがこのままじゃ食べる時間が無くなってしまう。申し訳ないけど先を急がせてもらおう。
________
(何で名前……)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 195人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すぴのさうるす(プロフ) - まるさん» お褒めのお言葉有難う御座います！お楽しみ頂けますと幸いです。 (6月28日 22時) (
レス) id: d6eb525f65 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 死亡エンドと同じ作者様でしたか。向こうではまだリメイク後の1話のみだった為あまり正確な魅力には気付けませんでしたが、夢中魔法(と略させていただきます)とても好きです。続編楽しんで来ますね (6月28日 2時) (レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：すぴのさうるす | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2022年10月21日 23時
