◆ ページ11
『なにこれ、授業の板書？』
「なわけないじゃん、記事にしてくれって部室の扉に貼ってあったんだよ」
「えっと、うわ字きたなっ」
彼の持つルーズリーフに目を通すとそこにはぴくとが口にした"未来予知"に関するのであろう文が書かれていた。書かれている文はたった二行。
『予言する。
2-Aの担任がHR中、教壇から足を滑らせ右足首を捻挫する？』
「なんなんこれ？」
「不思議でしょ？だから今日確かめてやろうって思ってさ」
ほらほら入ってきた、と彼が指差す方にはHR始めるぞーと教室に入ってきた担任の教師。ゾムとぴくとは予言文を信じているのか今か今かとじっと見ている。
「あ」
ゾムが一言声を漏らす。
教師が足を踏み外し倒れ込んだ大きな音を境に話し声で溢れていた教室がしんと静かになった。それと同時にゾムがキラキラと瞳を輝かせこちらに顔を向ける。
「よ、予言ほんまやった！！」
「これは記事にしなきゃだな……」
担任は保健委員の生徒に連れられ保健室に向かったようだ。今日の時間割は一時間目も担任の授業だったため、自習になり皆内心よろこんでいることだろう。ゾムは凄かったよなとひたすら予言のことについて早弁をしながら語りかけてくるし、ぴくとは早速新聞に載せる記事を書いているようだ。
確かに予想するのは極めて難しい事態だったがこんな小さな事で信じろ、なんて無理な話だ。
自習の時間、特にすることも無く本でも読もうかと窓の外に目を向ける。
どうやら一年のショッピのクラスと隣の2-Bがグラウンドで体育の授業だったようで合同でサッカーをしている。昔から割と何でもそつなくこなすショッピだ。サッカー部顔負けのドリブルで華麗に点を決めていた。
ふと、こちらに顔を向けたショッピと目が合う。瞬間顔を綻ばせ嬉しそうに小さく手を振っている。私も振り返そうと手を上げるとぴくとよりも前に座る女子数人がきゃっきゃと騒ぎだした。
身内の贔屓目なしに見ても容姿端麗なショッピ。ファンサービスなんてするような性格じゃないと思うのだがあっちに手を振ったのだろうか。私と目が合ってたけどと思いながらも手を下ろすと途端に顔を歪めるショッピ。
あー、これは選択肢間違えたなぁ。急ぎ手を振り返すと満足気に試合へと戻って行った。
弟を攻略するゲームをプレイしている気分だなと本の続きを読もうとすると視線を感じる。まだショッピが見ているのかと確認すると私を見ていたのは別の人物のようだ。
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すぴのさうるす(プロフ) - まるさん» お褒めのお言葉有難う御座います！お楽しみ頂けますと幸いです。 (6月28日 22時) (
レス) id: d6eb525f65 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 死亡エンドと同じ作者様でしたか。向こうではまだリメイク後の1話のみだった為あまり正確な魅力には気付けませんでしたが、夢中魔法(と略させていただきます)とても好きです。続編楽しんで来ますね (6月28日 2時) (レス) id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すぴのさうるす | 作者ホームページ：http://around-the-clock
作成日時：2022年10月21日 23時
