二百四十八話「異能力の名前」 ページ16
「えっ……！？」
靄は、否、先程まで靄だった人物は「ふふっ」と笑った。
肩まで付くぐらいの黒い猫っ毛と深紅の目。
左右非対称、Aとは逆の向きの前髪。
白メッシュ、黒のワイシャツ、白のベルトとスカァト、ニーハイソックス。
まるでAを鏡で見て、白と黒を塗り替えたような容姿であった。
「ふふっ、そっくりでしょ。
化け猫みたいにどんな姿でもなれるの」
今度はA、敦、鏡花、院長先生など、Aと関係のある人物へと次々に返信する。
「改めて自己紹介ね。
『人の寿命を吸い取る』異能力よ。
貴女は別の認識をしているみたいだから、これを機会に教えるわ」
あっ、とAは言葉をこぼした。
紅葉の云っていた本当の異能力。
『敵の頭にダメージを与える能力』じゃない、本当の。
「名前は……『文字禍』でもなんでも、好きに呼んで。
なんなら着けてよ、私の名前」
「そ、そういわれても……」
Aはう〜んと唸りながら考える。
人に名前などつけたこともない、ましてや人かどうかも怪しい人物なのに。
「あせらなくても良いわよ。
そろそろ夜も明けるし、本来の目的も果たせたし」
「そうだ、夢だった」
「貴女らしくてちょっと安心した。
用があるときは何時でも呼んで。
私は貴女を見守ってるから」
ーーーーーー
ーーー
「！」
そこで目が覚めた。
鏡花はまだ起きていない。
体を起こして伸びをする。
「うわあっ！？」
「ふふっ、驚いた？」
ぎゅっと閉じた目を開けた瞬間、夢にいた筈の『文字禍』がいた。
夢じゃなかったのか……。
「それじゃ、また今度ね」
「それだけをするためにここに来たの？……」
「まさか、ついでよついで」
「ならいいけど」
ジト目で彼女を見つめる。
面白そうに彼女は笑うと、靄となって消えていった。
「A？どうしたの」
「……ああ、鏡花ちゃんお早う。なんでもないよ」
やや疲れきった顔をしながら鏡花を見つめる。
長い夜だった、のちにAはそういったそうだ。
二百四十九話「The strategy of conflict」→←二百四十七話「本当の異能力、もう一つの力」
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+アリス+(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。自分のペースでこれからも頑張っていこうと思います。 (2019年5月3日 16時) (
レス) id: 00e250021f (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ゆっくりで書いてください (2019年5月3日 15時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 夏季さん» はい、番外編にて書かせていただきます (2019年1月2日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
夏季 - 敦が絶対女王である設定と裏社会の人間だった設定の話宜しくお願いします。楽しみにお待ちしてます (2018年12月30日 18時) (レス) id: a5c09ccca7 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 夏季さん» はい、リクエスト、確かに承りました。 (2018年12月30日 18時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ | 作成日時：2018年12月24日 15時
