二百三十四話「彼女の罪とは」 ページ1
花弁が散る。
風が吹く。
男はそれを見てこう詠んだ。
「散る葩の美しさよ」
花弁が散る。
ふわりふわりと風を受けながら、あっちへ行ったり此方へ行ったり。
命を持ったように、花弁が舞う。
女はこう告げた。
「されど莟のまま散らすこともなし」
刹那、花弁に一筋の線は入る。
二等分された花弁は、又ひらりひらりと落ちていった。
ーーーーーー
ーーー
それは朝の出来事であった。
谷崎が朝御飯の早矢士飯を作ると、妹のナオミはこう訊ねた。
「兄様、昨日港近くのお店で見つけたバウムクーヘン、購って来てくれました？」
「あ」と谷崎は思い出したように硬直する。
するとナオミはむうっと頬を膨らませて怒る。
だが谷崎は最初から用意してたように例のバウムクーヘンを取り出すと、
ナオミは嬉しそうに谷崎に飛び付くのだった。
そして二人は朝食を食べ始める。
「兄様ったら食事中まで仕事？お行儀悪い」
ナオミに叱られながらも谷崎はとある資料を読み進める。
それは鏡花の聴取記録であった。
鏡花はマフィアになるまで孤児だった。
谷崎が資料を読み進める。
「孤児に成った理由さ、ご両親が殺されたンだ」
犯人は＿＿＿＿
ーーーーーー
ーーー
「犯人は＿＿」
また同時刻、敦たちよりも早めに出社していたAも同じ資料を読んでいた。
それに目を見開く。
どうしてこんなことが起こったのだろうか？
判らない、何故だ？
「やあAちゃん、お早う」
「ああ、太宰さん、お早うございます」
此方も珍しく早めに出社していた太宰に話しかけられる。
「珍しいですね、太宰さんがこんなに早く出社なんて」
「ふふふ、私も成長するのだよ」
「…………」
ジトぉっと太宰を見つめる。
そんな目をしないでくれたまえ、と太宰が突っ込む。
すると資料を置こうとしたAに太宰が別の話題をふった。
「前から思っていたけれど、Aちゃんと敦君って天然なところあるよね」
「？」
するとAは暫く考えたあと、こう云ってのけたのだった。
「人に天然も養殖もありませんよ？」
予想の斜め上を行かれた太宰は目を押さえ天井を仰いだ。
太宰をスルーしつつもAはとある支度を始める。
今日は敦と鏡花とA、初めて三人で行く仕事だからだ。
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+アリス+(プロフ) - りんさん» コメントありがとうございます。自分のペースでこれからも頑張っていこうと思います。 (2019年5月3日 16時) (
レス) id: 00e250021f (このIDを非表示/違反報告)
りん(プロフ) - ゆっくりで書いてください (2019年5月3日 15時) (レス) id: 5016550d2e (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 夏季さん» はい、番外編にて書かせていただきます (2019年1月2日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
夏季 - 敦が絶対女王である設定と裏社会の人間だった設定の話宜しくお願いします。楽しみにお待ちしてます (2018年12月30日 18時) (レス) id: a5c09ccca7 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 夏季さん» はい、リクエスト、確かに承りました。 (2018年12月30日 18時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ | 作成日時：2018年12月24日 15時
