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九十四話「ヨコハマ観光」 ページ7

じー





何か視線を感じる。
そう思って隣を見ると、鏡花が物欲しそうな顔をして自分のクレープを見ていた。
因みにAはチョコ、鏡花は苺味のクレープだ。






「た、食べる?」






よもやと思い聞いてみると、ぱあっと目を輝かせコックリと頷いた。
どうやら自分のクレープも食べてみたいらしい。






「はい、どうぞ」






自分のクレープと鏡花に近づける。
お好きにどうぞ、という意味だ。






「おいしい」






鏡花が自分のクレープとスプーンですくい口へ運ぶ。
あまり表情が変わらないが、アホ毛のようなものがぴょこぴょこと動いている。
感情を表すセンサーのようなものだろうか?






「どうぞ」







鏡花がAに自分のクレープと近づける。
お返し、という意味だろう。






「じゃあ、いただきます」






苺味のクレープを口に運ぶ。
苺の甘酸っぱさがチョコとは違う甘さで満たしてくれた。







「あ、お兄ちゃんにもあげる、さっきからなにも食べてないでしょ?」


「じゃあ、お言葉に甘えて…」








俗に云うあーんで敦に食べさせる。
何だかんだで楽しい。









ーーーーーーーーーーー

ーーーーーーー

ーーー





クレープでお腹が満たされ、Aたちはまた歩き始めた。
ゲームセンターのクレーンゲームで鏡花のために兎のぬいぐるみを取った。
ほかにもシューティングゲームなどをした。
甘味屋さんによったり、公園に行ったり、鳩と戯れたり、
結構色々な場所へ行った。







「あ、観覧車だ」






次に立ち寄ったのは観覧車。
敦の財布の中身も寂しくなるなか、どうにか観覧車には行けたようだ。
三人でゴンドラのなかにはいる。
勿論Aは観覧車も生まれてはじめてだ。
不安定に揺れるゴンドラに胸が高鳴っていた。








「あれが探偵社…あ、さっき行った公園も見える」


「あれ…橘堂」


「あ、本当だ」







だんだんと小さくなっていく建物を二人は面白そうに眺める。
そんな二人を敦は微笑ましそうに見ていた。








「お兄ちゃんも見てみなよ!面白いよ!」







敦に手招きをする。
三人で景色を眺める姿は、とてもほほえましかった。

九十五話「三十五人と百人を」→←九十三話「クレープ食べたい」



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+アリス+(プロフ) - かにかまさん» 塩対応能力(笑)ですね。妹ちゃんは太宰さんを塩対応すればするほど良いと(個人的に)思ってるので(寧ろ敦くんには天使スマイル向けてほしいです) (2018年10月24日 19時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 塩対応能力w (2018年10月23日 20時) (レス) id: 723d39c3a6 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 紅華さん» すみません間違えていました。誤字の指摘、本当にありがとうございます。申し訳ありませんでした (2018年9月30日 23時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - あの公開ではなくて後悔ではないのですか? (2018年9月30日 23時) (レス) id: 1bdfb279a8 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 緑谷みとかさん» はい、では早速紹介させていただきます! (2018年8月14日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+アリス+ | 作成日時:2018年7月18日 20時

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