百二十七話「宣戦布告」 ページ41
エレベーターの扉が開くが、そこにあの二人の姿はなかった。
赤毛の少女は麦わら帽子をおめかしするように被って、さぞ楽しそうに歩くのだった。
「どう？似合うかしら？」
「麻袋でも被ったほうがましだな」
「何よ、いつもそうやって」
少女はつまらなそうにふてくされると、ペイッと帽子を捨てた。
帽子は宙をゆっくりと舞うように落ちた。
まるで持ち主を失ったように、その様子はとても静かだった。
「先ず一人」
宣戦布告を告げる。
その声は猛獣を狩る猟師のように冷たかった。
ーーーーーー
ーーー
翌日、社内は愕然としていた。
ポートマフィア傘下の七階建てビルが一夜にして消えた報道が液晶から流れ、
さらには賢治とAの消息が絶たれていた。
「逆らう探偵社も用済みのマフィアも凡て消す、か」
太宰がそう呟いた。
そして国木田は焦燥感に刈られるように敦と国木田に命令を出す。
だが敦は何処か浮かない顔をしていた。
「一昨日に続き昨晩も……」
自分の妹の安全を願いながらドアノブに手をかける。
唯一の肉親であるAがまた遠くに感じた。
ーーーーーー
ーーー
「！」
ぼんやりとする。
先ず体の不自由さを感じ、次に真っ暗な視界が目に飛び込んできた。
そうだ、私は勝負に負けて囚われたのだ。
「(今は……)」
丁度朝、本来ならば出社している時間帯。
拘束をされていない手を器用に動かし、手元の携帯で時間を確認した。
試しに電話をかけようとするも圏外だったことから、
ここは現実世界と隔離されていることが確認できた。
「もしかすると、もうお兄ちゃん達にも『組合』の手が……」
本当はこんなことをしている場合ではない。
そう思うも、がっしりとホールドされた体を動かすことは出来なかった。
未熟な少女の一粒の涙が、闇のそこへ落ちていった。
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+アリス+(プロフ) - かにかまさん» 塩対応能力(笑)ですね。妹ちゃんは太宰さんを塩対応すればするほど良いと(個人的に)思ってるので(寧ろ敦くんには天使スマイル向けてほしいです) (2018年10月24日 19時) (
レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 塩対応能力w (2018年10月23日 20時) (レス) id: 723d39c3a6 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 紅華さん» すみません間違えていました。誤字の指摘、本当にありがとうございます。申し訳ありませんでした (2018年9月30日 23時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - あの公開ではなくて後悔ではないのですか？ (2018年9月30日 23時) (レス) id: 1bdfb279a8 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 緑谷みとかさん» はい、では早速紹介させていただきます！ (2018年8月14日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ | 作成日時：2018年7月18日 20時
