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百二十話「死神の本気」 ページ34

中也が出ていった瞬間ヘアピンを使い手錠をはずした。
そしてベッドを偽装し、自分が寝ているように見せた。
気絶させた黒服の服とサングラスを剥ぎ取り、自分が着る。






「準備は出来た。あとは実行するのみ」





ドライバー片手にある場所へ向かう。
その時だった。






ぐうぅぅぅ






「……」







また腹の虫が鳴った。
原因はわかっている。
黒服の持ってきたほかほかの茶漬けだ。







「今は我慢しなきゃ…」






ぐうぅぅぅ






「が、我慢…」







ぐうぅぅぅ







どうしてそんなに鳴るのだ私のお腹よ。
艶がかった米と睨めっこをする。
湯気が立ち上ぼり、上に乗った鳥のささみと胡麻が鼻をくすぐった。
何故こんなときに好物が出てしまうのか。
これを作った人物を呪いたい。






「……ちょっとだけなら」






時刻は午前三時。
最後にご飯を食べたのは昨日の朝。
欲望に逆らえず、仕方なくいただくことにした。





ーーーーーーーー

ーーーーー

ーー





医務室の通気孔の格子窓をネジをドライバーで外す。
買い物袋に自分の着替えと買ったもの、
あと医務室で調達した睡眠薬を入れ、
椅子を使いながら通気孔に入った。







「意外と広い」






中に入ると、Aは外した格子窓を接着剤でくっつけた。
完璧な偽装工作だ。






「(まさかこんなところで役に立つとは)」






Aは黒服に身を包み、髪の毛を後ろで束ねている。
人目見ただけで中島Aとは気付かない筈だ。
四つん這いで通気孔を進む。
とりあえず、人がいなさそうなところまで。







「ここだ」






辿り着いたのは女子トイレ。
この時間じゃ流石に人はいないだろう。
場所を決め、女子トイレにある格子窓を下に押し蹴った。
カランッと金属がぶつかる音が響き、
目立ってしまうのではないかと少し怯える。






「(第一関門突破)」






蛍光灯の青白い光がチカチカと点滅する。
突き破った格子窓を個室に隠す。
さあ、次の作戦だ。

百二十一話「小さな旅の終末」→←百十九話「羞恥心と本能と」



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+アリス+(プロフ) - かにかまさん» 塩対応能力(笑)ですね。妹ちゃんは太宰さんを塩対応すればするほど良いと(個人的に)思ってるので(寧ろ敦くんには天使スマイル向けてほしいです) (2018年10月24日 19時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま(プロフ) - 塩対応能力w (2018年10月23日 20時) (レス) id: 723d39c3a6 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 紅華さん» すみません間違えていました。誤字の指摘、本当にありがとうございます。申し訳ありませんでした (2018年9月30日 23時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
紅華(プロフ) - あの公開ではなくて後悔ではないのですか? (2018年9月30日 23時) (レス) id: 1bdfb279a8 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 緑谷みとかさん» はい、では早速紹介させていただきます! (2018年8月14日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+アリス+ | 作成日時:2018年7月18日 20時

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