五七話「むにむに」 ページ9
「うわぁ……」
目の前の状況に思わず声が出てしまう。
建物はボロボロ、そこからは煙と火が出ている
＿＿先程爆発が起きた現場で、私とお兄ちゃんはただ茫然としていた。
「皆殺しだッてよ」
「非道い」
「軍警が云うにはマフィアの武道派
その中でも凶暴な実働部隊『黒蜥蜴』って奴らの仕業だって」
「特殊部隊なみに戦闘術を持ち、しかも恐ろしく残酷だとか」
現場に野次馬が集まってくる。
予想はしていたが＿＿＿案の定マフィアの仕業だった。
『黒蜥蜴』…あとで太宰さんに聞いてみよう。
マフィアについても、まだ情報が足りなすぎる。
はやく皆と肩を並べられるようにならなくては……。
「マフィアの武闘派『黒蜥蜴』」
お兄ちゃんが隣で何かを呟いた。
何を云っていたかは聞き取れなかったが、その顔は非道く真っ青だった。
お兄ちゃんのことだから“『黒蜥蜴』が探偵社を襲ったら„
みたいなことをかんがえているのだろうか。
昔からお兄ちゃんは考えていることが顔に出やすいからなぁ。
「お兄ちゃん、そろそろ探偵社に戻ろう」
「……あ……うん…」
話し方が暗く、目も死にかけている。
これは重症だ。
「……」
「A？…如何したの？急に黙りこんで」
「……えぃッ！！」
「ひょ、ひゃにひゅゆの！？(ちょ、なにするの！？)」
とりあえずお兄ちゃんの頬をむにむにとつねった。
暗いときにはこれが一番効くのだ。
「どうせ『黒蜥蜴』が襲ってくるんじゃ〜、なんて考えてたんでしょ。
お兄ちゃんは考えすぎだよ。はい笑って笑って」
「(如何して僕の考えてることが……？)」
「さてはお兄ちゃん、図星だね」
「ひゃんでわひゃゆの！？(なんで判るの！？)」
「顔に書いてる」
うっ、とショックを受けるお兄ちゃん。
相変わらず判りやすい。
そろそろいいかと思い、お兄ちゃんの頬から手を離す。
「さ、早く探偵社に帰ろう」
お兄ちゃんの手を引く。
そのときのお兄ちゃんの顔は、まだどこか暗い気がした。
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+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» ありがとうございます！では早速紹介させていただきます。 (2018年6月24日 20時) (
レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» はい！オッケーですよ！ (2018年6月24日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。イメ画、拝見させていただきました。汚くないです。むしろ自分の夢主をこんなに可愛く描いてもらえてとても嬉しいです！宜しければ、このイラストを小説の中で紹介したいのですがいいですか？ (2018年6月24日 17時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» イメ画描いたんで…汚くて申し訳ない (2018年6月14日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» http://uranai.nosv.org/img/user/data/3/6/7/367184e309c78bafdccbd390e66ab0c5.jpeg (2018年6月14日 17時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ | 作成日時：2018年5月21日 17時
