七十九話「奇襲=マフィアの仕業」 ページ34
「お兄ちゃんのドジ」
「うう」
「よそ見してたからそうなるんだ」
「そ、そういうAだってよそ見してたじゃん!」
「でも私は荷物落とさなかったよ」
「お、おっしゃる通りです……」
ガタンゴトンと揺れる電車のなかに三人は乗っていた。
敦のとなりに座るAは、落として汚れのついた荷物を見て呆れていた。
「気にするこたァないよ。……それより」
与謝野は数日前、マフィアに襲われて足を食いちぎられた敦の話を持ち出した。
与謝野は敦のズボンを捲り、食い千切られた部分を確認していた。
曰く、再生というよりは復元、らしい。
虎はこれを一瞬で……?
「あ、あの、何か問題でも?」
「別に、妾が治療なくて残念だッて話さ」
一方でAは電車の中から外を眺めていた。
電車に乗るのは二回目だが、初めて見る景色に興奮を隠せなかったのだ。
電車っていいな……あ、トンネルに入った。
「……でも次はないよ」
「?」
「?」
与謝野の言葉に二人が反応する。
前回マフィアは探偵社に正面衝突したという無謀な挑戦をしたから勝てた。
だが、本来マフィアは奇襲夜討が本分なのだ。
いつどこで襲ってくるかは判らない。
自分の身は自分で守らなければ……
「ま、夜道には気ィつけるんだね」
「……やっぱり護身術も身に付けておこうかな?」
「大丈夫だ。Aは能力もあるしなにより強い。
この前、マフィアの戦闘部隊の三分の一を素手で倒してたからねェ」
「いえ、私はまだまだ力不足です」
「(自分の妹が少し怖い)」
その次の瞬間、Aの背中にぞわりとしたものが走った。
イヤな予感がする……。
『あァ〜〜、こちら車両室ゥ』
「!」
『誠に勝手ながらぁ?只今よりささやかな『物理学実験』を行いまぁす!』
社内のアナウンスから聞こえる謎の声。
云うまでもない、こんなことをするのはマフィアだ。
『題目は『非慣性系における爆轟反応および官能評価』!
被験者はお乗りあわせの皆様!ご協力まァ〜〜ことに感謝!
では早速ですがこれをお聞き下さいァ〜い』
ドガァァン
身体中に響く花火のような大きな音。
ずっしりと伝わる大きな揺れ。
これらの感覚から推測できる事実はただひとつ。
「(爆発テロだ)」
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+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» ありがとうございます!では早速紹介させていただきます。 (2018年6月24日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» はい!オッケーですよ! (2018年6月24日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。イメ画、拝見させていただきました。汚くないです。むしろ自分の夢主をこんなに可愛く描いてもらえてとても嬉しいです!宜しければ、このイラストを小説の中で紹介したいのですがいいですか? (2018年6月24日 17時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» イメ画描いたんで…汚くて申し訳ない (2018年6月14日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» http://uranai.nosv.org/img/user/data/3/6/7/367184e309c78bafdccbd390e66ab0c5.jpeg (2018年6月14日 17時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+アリス+ | 作成日時:2018年5月21日 17時