七十七話「危機察知能力など存在しなかった」 ページ32
「ふァ〜〜あ」
眠気混じりの大欠伸。
声の主は武装探偵社専属医・与謝野晶子だッた。
「寝過ぎちまったよ」
大人の雰囲気を漂わせる黒髪をくしゃりとかきみだす。
あんまり医者のイメージはない。
医者って云ったら白衣に手術刀のイメージがある。
「あ、与謝野さん」
そんな与謝野に敦が話しかける。
それは警戒心が緩んでいることを意味する。
この探偵者のなかで与謝野の恐ろしさを知らないのはこの二人だけだ。
だが、そのうちの一人はもうじき知るだろう。
与謝野の恐ろしさを。
「ああ、新入りの敦だね。どっか怪我してないかい？」
「ええ、大丈夫です」
「ちぇっ」
「……ちぇっ？」
ちぇっと舌打ちを溢す与謝野に違和感を覚える敦。
「あっ与謝野さん、おはようございます！」
「おはようA」
そんな敦とは逆に、癒されるような笑顔で挨拶をするA。
与謝野はにっこりと挨拶をかえした。
頼れる先輩、という意味でAは与謝野を尊敬していた。
「ところで、誰かに買い出しの荷物持ちを頼もうと思ッたンだけど…」
「？」
与謝野がキョロキョロと辺りを見回す。
「アンタらしか居ないようだねェ」
「………え"ッ！？」
辺りをみると、先刻までいた国木田らがこつぜんといなくなっていたのだ。
え、どこ行った。
「「(危機察知能力って……これ？)」」
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーー
ーーー
「お、重い」
「大丈夫お兄ちゃん？私が半分持とうか？」
「いや、A僕よりも持ってるでしょ。
その力とバランス力を分けてほしいよ……」
「そう？」
服やら果物やらを買い続けること三時間。
中島兄妹は与謝野の荷物持ちとしてかなりの労力を使っている。
敦の足がもたつくのに対し、Aは器用に手を使い更には頭の上に荷物を乗っけているのだ。
その力、バランス力は大人顔負けである。
だが本人曰く、お兄ちゃんを守るためにはこれくらい当然、らしい。
顔に似合わず男前だ。
「落とすンじゃないよ？……落としたら＿＿」
「…落としたら？」
黒い笑みを浮かべる。
場合によっちゃ命が危ない。
「私なら大丈夫ですよ！まだ持てます！」
「(……恐ろしい子)」
少女の力は計り知れない。
七十八話「怒らせると怖い」→←七十六話「人を殺して死ねよとて」
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+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» ありがとうございます！では早速紹介させていただきます。 (2018年6月24日 20時) (
レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» はい！オッケーですよ！ (2018年6月24日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。イメ画、拝見させていただきました。汚くないです。むしろ自分の夢主をこんなに可愛く描いてもらえてとても嬉しいです！宜しければ、このイラストを小説の中で紹介したいのですがいいですか？ (2018年6月24日 17時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» イメ画描いたんで…汚くて申し訳ない (2018年6月14日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» http://uranai.nosv.org/img/user/data/3/6/7/367184e309c78bafdccbd390e66ab0c5.jpeg (2018年6月14日 17時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ | 作成日時：2018年5月21日 17時
