五一話「調査資料」 ページ3
『ヨコハマ市民大量脳死事件』調査記録
某月某日ヨコハマ市のポートマフィア傘下のビル周辺のヨコハマ市民が謎の死を遂げた事件。
死者は約百名。死因は脳死。我々は此れを殺人事件として調査を進める。
また、メディアからはまるで死神のように現れたことから別名『死神事件』とも言われている。
犯人は不明。恐らく犯人は異能力者。
ポートマフィアが僅かに動いているらしい。犯人はポートマフィアの誰かかもしれない。
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パタンと資料ファイルを閉じ、ふぅーと息をはく。
太宰さんに様々なことを聞いた後、それを確かめるべく探偵社の資料室に来た。
太宰さんは四年前、ポートマフィアの幹部だったこと。
ポートマフィアが極秘の計画で私を狙っていたこと。
でも私は見つからず、そのまま四年の月日が経ったこと。
その間に太宰さんがポートマフィアを抜けたこと。
「(向き合わなきゃ……いけないのかな)」
それから自分のことについても話した。
私の異能力のことについて。
六年前のあの事件のことについて。
あの事件はまだ太宰さんにしか話していない。
でも、いつかは皆に……お兄ちゃんに話さなければいけないのだ。
「……」
未だに頭の整理がつかないが、それでも一つ、確かにわかることがある。
私が想像している以上に、事が大きくなっていることだ。
あのとき、私が『あの提案』をしなければ
私が大人しく、良い子にしていれば。
たら、れば、の話をしていたらキリがない。
不安を抱え、お兄ちゃんのいる医務室に戻った。
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ガチャリとドアを開ける。
お兄ちゃんはすやすやと眠っていた。
時計の針は九時をさしていた。
本当は社員寮に帰らなければいけないが、お兄ちゃんが心配で帰れなかった。
近くの椅子に腰を掛け、お兄ちゃんの顔をじっと見る。
ー近づくな!化け物め!ー
ーお前にいきる価値など無い!ー
ー外には行くな!我々に恥をかかすつもりか!!ー
ー生きているだけで罪のお前に泣く資格など無い!ー
ごめんなさい。
誰もいない部屋で、私の嗚咽が暗闇に溶けていった。
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+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» ありがとうございます!では早速紹介させていただきます。 (2018年6月24日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» はい!オッケーですよ! (2018年6月24日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - 霧瑠乃さん» 返信が遅くなってしまい申し訳ありません。イメ画、拝見させていただきました。汚くないです。むしろ自分の夢主をこんなに可愛く描いてもらえてとても嬉しいです!宜しければ、このイラストを小説の中で紹介したいのですがいいですか? (2018年6月24日 17時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» イメ画描いたんで…汚くて申し訳ない (2018年6月14日 18時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
霧瑠乃(プロフ) - +アリス+さん» http://uranai.nosv.org/img/user/data/3/6/7/367184e309c78bafdccbd390e66ab0c5.jpeg (2018年6月14日 17時) (レス) id: 243261d0e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+アリス+ | 作成日時:2018年5月21日 17時