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五話「武装探偵社とは一体」 ページ6

「はー食った。もう茶漬けは十年は見たくない……」


「お前……」


「お兄ちゃん失礼だよ。
ちゃんとご馳走さまして国木田さんにお礼云わなきゃ」


「あ……そうだね」








にしても敦の食べた量は凄い。
ざっと三十杯くらいだろうか?
こんなに茶碗が重なっているのは見たことがない。
かと云うAもかなりおかわりしてしまったため人のことは云えないが……。






「いやほんっとーに助かりました。
孤児院を追い出されヨコハマに出てきてから
食べるものも寝るところもなく……あわや餓死かと」


「ふうん。君達、施設の出かい」


「出というか追い出されたのです。経営不振だとか企業縮小とかで」







敦の言葉に『あの思い出』がフラッシュバックする。
今でもあの孤児院は嫌いだ。
本当は思い出したくないのに。







「其れは薄情な施設もあったものだね。
Aちゃんも追い出されたの?」


「私はお兄ちゃんについてきただけです。
あの孤児院に居るくらいならお兄ちゃんと一緒に追い出された方がマシなので……」






其れと理由はもう一つある。
でも其れは云ってはならない。
だって其れは___






「おい太宰、俺達は恵まれない子供に慈悲を垂れる篤志家じゃない。仕事に戻るぞ。」





ハッと我に帰る。
そう云えば此の人達の仕事って?






「お二人はなんの仕事を?」





おお!よくぞ聞いてくれたお兄ちゃん!
感謝の意味を込めて兄を見つめる。
次の瞬間、太宰がまるでお伽噺を聞かせる語り手のようにクスリと笑った。






「なァに、探偵さ」






よく孤児院で読んだ推理小説を思い出した。
探偵って云ったら事件解決したりとか?







「チッ……探偵と云っても猫探しや不貞調査ではない。
切った張ったの荒事が領分だ。
…異能力集団『武装探偵社』を知らんか。」







その瞬間、何故か背中にゾクリと冷たい感覚が走った。

六話「探偵のお仕事」→←四話「茶漬けと仕事と米粒と」



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設定タグ:文スト , 中島敦 ,   
作品ジャンル:アニメ
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+アリス+(プロフ) - 野良神さん» 誤字の指摘ありがとうございます。すぐに直しますね。 (2018年12月24日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - 13ページの異能力が維能力になってますよ! (2018年12月24日 9時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» 判りました。こちらの不具合かもしれないので直してみます。この作品を見てくださりありがとうございます (2018年10月13日 21時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - はい! (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» イメ画は設定のところにあるもののことでしょうか? (2018年10月12日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+アリス+ x他1人 | 作成日時:2018年4月6日 17時

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