十八話「駄目人間と爆弾魔」 ページ19
ことの発端は数分前_
「Aちゃんが云った通り社員が行けば犯人を刺激する。…となれば」
「無関係で面の割れていない私かお兄ちゃんが行くしかない」
「そう大正解。Aちゃんは賢いねえ」
「頭撫でないでください。
しかもこの状況で褒められても嬉しくありません」
太宰さんが頭を撫でてくるので、その手をはらう。
「むむ無理ですよそんなの!第一どうやって」
「そうですよ!相手は爆弾魔ですよ!?」
勿論私もお兄ちゃんもそんな器用なことはできない。
「犯人の気をそらせてくれれば後は我々がやるよ。」
「でもどうやって」
「そうだな、落伍者の演技でもして気を引いては如何かな」
ムリムリ、とお兄ちゃんは首を横に振る。
私も無理だ。
「信用し給え。この程度の揉事、武装探偵社にとっては朝飯前だよ」
これが朝飯前?
謎が多すぎる、武装探偵社。
でもこのまま爆発で死んだ、なんてバットエンドは嫌だ。
「………」
「………」
「……お兄ちゃん。」
「……なに?」
「じゃんけん………する?」
「……うん」
__ってなわけで
「ぼぼ、僕は騒ぎを聞きつけた一般市民ですっ!!」
私がじゃんけんで勝ち、お兄ちゃんが行くことになりました。
「いい生きていれば好いことあるよ!」
「誰だか知らないが無責任に云うな!みんな死ねば良いンだ!」
やっぱりお兄ちゃんでもダメか。
だが私はお兄ちゃんを甘く見ていた。
「ぼ、僕なんか孤児で友達もいなくてこの前その院さえ追い出されて行くあても伝手も無いんだ!」
「いや、それは」
「害獣に変身しちゃうらしくて、
軍警びバレたらたぶん縛り首だし……とりたてて長所も特技もないし
おまけに妹の方がしっかりしていて兄なのに情けないし
誰が見ても社会のゴミだけど………ヤケにならずに生きてるんだ!!」
お兄ちゃんの駄目人間っぷりに少し唖然としている。
爆弾魔の人もなんか引いてるし………。
「敦君、駄目人間の演技上手いなぁ……」
「太宰さん違います。あれは演技なんかじゃありません、お兄ちゃんの素です。」
お兄ちゃんのあんな姿見たことない。
否、ヘタレなところはいつも見ているのだけれども
「ね、だから爆弾捨てて、一緒に仕事探そう」
ハイライトのない目を見たとき、初めてお兄ちゃんが怖いと思った。
十九話「見ているだけは終われない」→←十七話「じゃんけんしよう」
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+アリス+(プロフ) - 野良神さん» 誤字の指摘ありがとうございます。すぐに直しますね。 (2018年12月24日 10時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
野良神(プロフ) - 13ページの異能力が維能力になってますよ! (2018年12月24日 9時) (レス) id: 98ee09b097 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» 判りました。こちらの不具合かもしれないので直してみます。この作品を見てくださりありがとうございます (2018年10月13日 21時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
issu(プロフ) - はい! (2018年10月12日 22時) (レス) id: 9f68ff9d03 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - issuさん» イメ画は設定のところにあるもののことでしょうか? (2018年10月12日 20時) (レス) id: 87d894de71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:+アリス+ x他1人 | 作成日時:2018年4月6日 17時