五話【仲間】 ページ6
太宰の協力の甲斐あって、なんとか脱出できた。
だがしかし……
「ねーえーAちゃん。心中しようよ〜」
「……」
もう一緒にいる利益はない筈なのにこの男、何故かベッタリくっついてくるのだ。
扉を開けて、大広間まで出たのはいい。
「ねえ先っちょ！先っちょだけで良いから！」
「なんですか先っちょって……」
またため息をつく。
口説き方といい、ジサツ願望が強すぎるといい、訳がわからない。
いちいち反応するのも面倒臭くなってきたので、Aは太宰を完全に無視し始めた。
「(人が増えてきたな)」
大広間は先程の個室同様全て白。
自分達が出てきたときには既に大勢の人たちが脱出に成功していた。
「ねえ無視かい？」
「ちょっと黙っててください」
「辛辣！」
恐らくもうすぐ三十分経つだろう。
そんなときだった。
「あ、太宰さん！」
別の方から太宰を呼ぶ声が聞こえた。
人混みを掻い潜って出てきた白髪の少年を見て、太宰は手を振った。
「やァ敦くん、君も来ていたんだね」
「『君も来ていたんだね』じゃないですよう……。
太宰さんこそ、どうして此所に？」
「さあ、私もどうして此所にいるのか判らずじまいさ」
「……誘拐されたのかもしれない」
白髪の少年の後ろからひょこっと幼い和装の少女が顔を覗かせた。
「太宰さん、この人たちは知り合いですか？」
「ああ、この子達の紹介がまだだったね。
此方の白髪の紹介が中島敦くん。
で此方の和装の少女が泉鏡花ちゃん。
二人とも、私の所属する『武装探偵社』の後輩だよ」
「なっ中島敦です。よろしくお願いします」
「泉鏡花、探偵社員……よろしくお願いします」
「Aです。記憶喪失らしくて記憶がありません」
「えっそうなんですか！？」
「うん、そうみたい」
無表情で答えるぶん、反応に困る敦。
しばらくの沈黙が流れた。
だが次の瞬間、ソレを打ち破る大声が響いた。
「あああーーーーーー！！手前何で此所に居やがる！！」
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+アリス+(プロフ) - 怪盗MOONさん» ふふふ、どうでしょうか……。此れからのお楽しみです。 (2019年7月21日 12時) (
レス) id: 00e250021f (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - なるほど。道化師は異能力者で、此のデスゲーム、・・・日い、“脱落者ニハ死ヲ与ウル”は道化師の異能と云う事か・・・。(と、云うのが私の推測です。) (2019年7月20日 15時) (レス) id: b5aabf0ca5 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - あいどんとすぴーくいんぐりっしゅさん» ありがとうございます。惚れていただけるなんて光栄です。更新頑張りますので、楽しみにしていてください(*^^*) (2019年6月6日 19時) (レス) id: 00e250021f (このIDを非表示/違反報告)
あいどんとすぴーくいんぐりっしゅ - え……なにこれ………めっちゃ好きなんですけど！！ヤバい！この小説に惚れる！いやもう惚れてる！更新楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2019年6月6日 18時) (レス) id: 7b91c6ec22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：+アリス+ | 作成日時：2019年5月3日 17時
