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一話【前夜祭】 ページ2

目が覚めると、目の前に顔があった。
いや、これは唐突すぎただろう。
詳しく説明するならば、仰向けに横たわる自分の顔面を屈みながら覗きこむ『知らない男の人』の顔があった。





「え……」

「あ、起きた」





反射的に声を漏らし、男を顔を動かさずに目だけで容姿を確認した。
無造作に跳ねた短い髪に、整った目鼻立ち。
砂色の外套を羽織り、何故か包帯を巻いている男であった。







「……誰ですか。ってか此所何処」

「ああ、私の名前かい?私は太宰__太宰治だ」






見下ろされながら自己紹介を軽い感じに済まされる。
「折角だから起き上がって話そう」と太宰と名乗る男は少女に手をさしのべる。
警戒しながらも少女は男の手を握り、スッと立ち上がった。






「君は?」

「私は__」







『あーあー、テステス、マイクテスト〜!』







自分の声を遮られるように、幼い声が響いた。
辺りを見回す。
真っ白な部屋の一角、監視カメラとスピーカーがあった。
声はおそらく此所から出たのだろう。






『ん〜全員起きたみたいだね!早速だけど説明を始めるよ!』

「ハァ!?」






何で!?と云わんばかりに少女が声を張り上げ、監視カメラを睨み付ける。






『今此所には「とある共通点」で集められた人間がいるよ!
各部屋に二人、十五部屋だから計三十人くらいだね!』





幼い声だ、小学生のように無邪気さのある。
何故子供が?
ルールとは?






『えーお集まりいただいた皆様にはこれより簡単な脱出をしてもらいまぁす!』

「簡単な脱出?」






少女が呟いた。
なんだその意味深な言葉は。







『ルールは簡単!あの扉を開けるだけ!』






扉を探した。
あっさり見つかったソレは白いが分厚く、一筋縄では開きそうになかった。







『開き方は自由!鍵を探して開けるもよし!ピッキングするもよし!』






訳が判らなかった。
ただ鼓膜に響く声に唖然とするしかなかった。
また、高らかに子供の声が響く。
__私たちはまだ知らない。
これが地獄の始まりに過ぎないことを。
これは最悪の、悪夢のようなゲームが始まる『前夜祭』。








『デスゲーム開始〜!!』

二話【記憶】→←序章【××】



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+アリス+(プロフ) - 怪盗MOONさん» ふふふ、どうでしょうか……。此れからのお楽しみです。 (2019年7月21日 12時) (レス) id: 00e250021f (このIDを非表示/違反報告)
怪盗MOON - なるほど。道化師は異能力者で、此のデスゲーム、・・・日い、“脱落者ニハ死ヲ与ウル”は道化師の異能と云う事か・・・。(と、云うのが私の推測です。) (2019年7月20日 15時) (レス) id: b5aabf0ca5 (このIDを非表示/違反報告)
+アリス+(プロフ) - あいどんとすぴーくいんぐりっしゅさん» ありがとうございます。惚れていただけるなんて光栄です。更新頑張りますので、楽しみにしていてください(*^^*) (2019年6月6日 19時) (レス) id: 00e250021f (このIDを非表示/違反報告)
あいどんとすぴーくいんぐりっしゅ - え……なにこれ………めっちゃ好きなんですけど!!ヤバい!この小説に惚れる!いやもう惚れてる!更新楽しみにしてます!頑張って下さい! (2019年6月6日 18時) (レス) id: 7b91c6ec22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:+アリス+ | 作成日時:2019年5月3日 17時

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