イロドリ【西,悲恋?】 ページ1
ー今から四世紀ほど前のことだろうか。
雨の中、広い草原の中で泣いていた彼女を見付けたのは。
それは人間ではなく、まだ名前もついていない小さな国だった。
「ほら、一緒にうち帰るで」
の一言で始まった彼女との生活は、俺にたくさんの色を与えてくれた。
家に来てすぐ、こっそり部屋で泣いていた彼女。その背中は暗い青色だった。
「A」
と名前を呼べば、いつだって彼女はこちらを向いてふわっと笑ってくれた。
その笑顔は日溜まりのような黄色。
美味しいものを食べた時の、幸せそうな顔はオレンジ色。
一緒に話しながら歩いたあの日は、柔らかなピンクに包まれている。
いつしか、俺の心には様々な色で“幸せ”が描かれていた。
これからも、色はどんどん増えていくんだとただ純粋に思ってた。
ーそれなのに。
ある時、突然Aの国の経済が悪化し、体調は目に見えて悪くなっていった。
彼女が寝ていると、俺は心臓が大きく跳ねて、最悪の事態を予想してしまう。
微かに上下する毛布を見ると、安堵。
ほっとした気持ちと、すこしの罪悪感が混ざると、濁った茶色だった。
そして、透明のベールに包まれた朝。
彼女は死んだ。
いや、消滅したと言ったほうが正しいのだろうか。
「A…」
いくら呼んでも、返事は無くて。
彼女は、本当に遠いところへ行ってしまったようだ。
「置いていかんといて…親分、ひとりぼっちやで」
ぽつり、と呟くと暖かいものが頬を伝った。一度溢れた涙は止まらなかった。
ふと、気づくことがある。
「ここ、いつかAと歩いたな」
「いつも座ってた場所や…」
彼女の面影を見つけるたびに、色が溢れる。幸せだった、暖かな色が。
思いではまだまだ色褪せない。
それは、鮮やかすぎてときにつらい。
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もみじ(プロフ) - ポルさんの続きが見たいです。頑張ってください！まぁカッコいい (2020年6月12日 23時) (
レス) id: 61d5d81753 (このIDを非表示/違反報告)
spitz(プロフ) - 桜 水樹さん» 本当に、更新遅くてすみません！ 絶対にリトの小説完成させますね！(`・∀・´) リトかっこいいです☆ 桜 水樹さんも受験ですか！？ お互い頑張りましょうね〜〜〜泣！ (2017年7月30日 0時) (レス) id: 5dcc29a648 (このIDを非表示/違反報告)
桜 水樹 - あああリトかっこええ…リトおしキャラなのに小説が少ない…こんなにも素敵なキャラなのに!(お互い受験頑張りましょう(涙)) (2017年7月28日 0時) (レス) id: 0aefdd481f (このIDを非表示/違反報告)
spitz(プロフ) - 桜 水樹さん» 返信遅れてすいません。 読んでいただきありがとうございます！ リトアニアの小説、出来る限り早めに作りますので 気長にお待ちください♪♪♪ (2017年4月10日 21時) (レス) id: 5dcc29a648 (このIDを非表示/違反報告)
桜 水樹 - 突然すみません!とても素敵な小説でした!リクエストいいですか?リトアニアお願いします♪ (2017年4月8日 11時) (レス) id: 0aefdd481f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：spitz | 作成日時：2016年10月14日 0時
