spin a yarn about …〔２〕 (ページ9)

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2-9：高級店ページ9

トイレを出て一階に行くと、すでに村上さんと安田さんが待っていた

『お待たせしました』

腕時計に目をやる村上さん

村「まだ10分たってないからな、気にすんな、よっしゃ、行くで」

前を村上さんと安田さん

後ろから彩希ちゃんと私がついていく

着いた先は最寄り駅の駅ビル

村「ほれ、何がいい？」

『…』

案内板の前に来たけれど、どれを選べばいいのか…わからない

安「好き嫌いとか、ある？」

邑「なま物苦手です」

『特にないです』

村「どうする？特にないんやったら、勝手に決めるけど」

安「何にするん？」

村「鰻でええ？」

邑「鰻？！」

村「あかんか？」

邑「いや…高いなぁと思って」

彩希ちゃん、言ってくれてありがとう…自腹で鰻はきついよね…

安「言わんかったっけ？今日は信ちゃんの、お・ご・り」

安田さん…なんですか、その可愛いしぐさは…

村「そやで、今日は特別や、何でも好きなもん食うたらええ」

邑「Aちゃん、どうする？」

『彩希ちゃん、鰻は？』

邑「好きだけど…Aちゃんは？」

『私も好きだけど…』

やっぱり、お値段が…

村「よっしゃ、鰻、食うぞ～」

ひとり、お店に向かって歩き出した村上さん

安「ほら、ふたりとも行くで～」

私達の後ろから、安田さんが背中を押してくるから、とりあえずエスカレーターへと足を進めた

この駅ビルでご飯食べたことあるけど、鰻屋さんがあるなんて知らなかった…というのも、フロアが違うから

このフロアには、高級なお店ばっかり

回ってないお寿司屋とか高級中華とか…そして鰻

村「はよ、来～い！！」

村上さんが、お店の中から顔を出して呼んでる

安「はよ、行こ、信ちゃん、お腹空いてると機嫌悪なんねん」

『えっ～！』

邑「そんな大事な事、早く言ってください」

安「ゴメン、ゴメン」

高級感漂う廊下を３人で走る

お店に着くと

村「ｱﾊﾊ、そない慌てなくてもええって」

どうやら、機嫌が悪くはなさそうです