spin a yarn about …〔２〕 (ページ37)

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2-37：辞令交付式ページ37

辞令の交付式、入社式みたいに【第一ホール】ではなくて、社長室らしい

社長室７階じゃない？だったら、なんで集合が８階？なんて思ったら

生「７階はこの部屋みたいな大きめの会議室がないんだってさ」

交際範囲の広い生田さんが教えてくれた

９時少し前に人事の久藤課長が呼びに来て、みんなでぞろぞろ移動する

久「どう、緊張する？」

横「そこまででも…」

久「だよね」

うちの社長、フレンドリーな人だから、ちょくちょく下のフロアに降りてくる

で、あちこちで雑談

しばらくすると、秘書さんからの呼び出し電話が鳴る

っていうのが、わが社のあるあるで

そんな感じだから、社長に会うといっても、緊張感はない

ただ、【社長室】っていうのは、やっぱり慣れてなくて…ちょっと緊張

ｺﾝｺﾝ

久藤課長のノックに中から声がする

「どうぞ～」

星乃社長の声だ

「『おはようございます』」

星「はい、おはよう」

久「じゃ、みんな並んで…では、只今から辞令交付式を始めます、横山くんから前へ…」

横「はい」

一人一人、名前が呼ばれて、社長から辞令が手渡された

久「はい、これで終わり、お疲れ様」

星「みなさん、末永くよろしく」

会議室に置いてあって荷物をもって、それぞれ自分のフロアへ

何が変わったって訳じゃないんだけど、なんとなく気合いが入る

『おはようございます』

ひとまず、明山課長に挨拶

明「今日からもよろしく頼むよ」

『はい、頑張ります』

村「今まで以上に働いてもらわなあかんな」

安「今でも十分頑張ってるや～ん」

村「もらったお金の分はきっちり働いてもらわんと」

安「そら、そうやけど…ほら、Aちゃん、ひいてもうたで」

そうだよね…まだまだ未熟だもんね

今まで、残業とかしてなかったから、これからはもっと…

村「A、冗談やて…真に受けるな」

『冗談…なんですか？』

村「いや、まぁ、働いてはもらうけど、今までと変わらず…な」

安「そうそう、Aちゃん、ちゃ～んと仕事出来てるから、大丈夫やで」

『…はい…』

自分じゃ自分の事わからないから、常に不安で

みんなに迷惑かけてないかな…とか、すぐ考えちゃう

明「村上～、Aちゃん、落ち込んじゃってるよ」

村「スマン、俺が悪かった…よし、晩飯奢ったるから機嫌直せ」

安「ヤッタ～、信ちゃんありがとう」

村「なんでお前が喜んでんねん」ﾊﾞｼｯ

ﾊﾊﾊ…いつものやり取りに、思わず笑ってしまった