2-26：４階 ページ26
ｶﾁｬ
カードを使い、慣れないドアを開ける
そう、ここは４階
いつものフロアのひとつ上
ひとつ上なだけで、きっとフロア自体のつくりとかは同じはずなのに、ドアの中は違う世界に見えた
人はもちろんだけど、雰囲気それこそ空気まで違うような
なんとも息苦しい
そんな弱音を吐くことも許されないから、田部課長を探す…
ん？ちょっと待って…
田部課長…って、誰？
良く考えたら、ミポリンの話に出てくるから名前は知ってるけど、顔が…わからない
どうしよ…
そうだ、ミポリンに聞いて…
って、ミポリンのデスクの場所さえわからない
ヤバい…どうしたら…
ﾄﾝﾄﾝ
『ふぇっ？』
不意に肩を叩かれて、変な声が出ちゃった…
「どしたん？こんなとこで、めっちゃキョドってたで」
横山さんが声かけてくれて…助かった…
『お、おはようございます、あの、田部課長は…』
横「あれ、もしかして、ヘルプってAちゃんなん？」
『たぶん…』
横「そうなん？良かったわ〜、今日からヘルプ来るって聞いてたからさ…」
どうやら、横山さんと同じチームなようで
私も良かったです…知ってる人がいて…
そのあと、横山さんが田部課長の所に連れていってくれて
田部課長から一通りの説明受けて、とりあえず、横山さんの隣に用意されていたデスクについた
手荷物片付けて、早速フローを書く
ひとつ出来上がった所で、ふと視線を感じて
隣を見たら、横山さんがこっちを見てた
横「早いなぁ」
『そうですか？』
横「俺には出来けへん」
『あれ？横山さんは何を…』
良く見てみたら、横山さんのデスクは、フローを書いてる気配がない
フローというよりは…
横「プログラミング向いてへんから、設計の方してんねん」
ちょっと自虐ぎみに言う横山さん
だけど、設計ってことは、システムエンジニアでしょ？
プログラマーより、上の立場じゃない？
『出世ですね』
横「え〜バカにしてんの？Aちゃん、ヒドイわ〜」ﾊﾊﾊ
そこからは、横山さんが設計して、私がプログラミングするという、共同作業がほぼ１ヶ月続いた
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作者名：ひ み さ | 作成日時：2018年10月25日 7時
