11：優秀な ページ11
一通り話を聞いたあと、一応フロアを案内してもらうことに
そう「一応」…
だって、もうこのビルに来ることはないし…
次は入社式だからねって、さっき明山課長も言ってたし…
どうやら、会議室があるのは、皆さんが働いてるのとは違うフロアで
あの階は、このビルに入ってる会社共通で使える会議室があるフロアなんだと、後で教わったんだけど…それさえ、いらぬ知識よね
２つ下のフロアにエレベーターで移動した
明山課長が入り口のスキャナーに社員証を通すと【ｶﾁｬ】と、音がして、ドアのロックが解除された事がわかった
明「ここが、１課から３課までのフロアになるんたけど…」
「お〜、来たか〜」
フロアの奥から手を降りながら、こっちへ向かって駆けてくる村上さんが…
「うわっ！」
横のスペースから出てきた小柄な男性とぶつかりそうになった
「もう！信ちゃん！フロアで走ったらあかんて、何度言ったらわかるん？」
村「スマン、スマン、お客さんやったから…」
「お客さん？」
こっちを振り向き、不思議そうな顔をしている男性
「この子達が？」
村「来年入る子達やで、ヤス」
安「おう、君らか〜、優秀なＪＫ言うんは、はじめまして、安田章大です」
【優秀な】…【ＪＫ】…なにそれ…
安「ＪＫ言うから、もっと派手な子想像してたわ〜」
村「ＪＫって…お前が勝手に言うてただけやろ、高卒の子って言うただけやんか」
安「そうやったっけ？」
明「安田はね、これでも優秀なプログラマーなんだよ」
安「【これでも】って、どういう意味ですか〜、課長！」
う〜ん、確かに…かろうじてスーツは来てるけど、ネクタイはド派手だし、金髪だし、ピアスはいくつもついてるし…
ぱっと見、仕事出来そうには見えないな…
明「そのまんまの意味だよ」ﾊﾊﾊ
村「しゃあないわ、ヤス、そんな身形なんやし」
安「やって、スーツ着てたらあとは自由やって言われたし」
明「安田はそれでいいよ、外回りする訳じゃないしね」
そうなんだ…かなり自由な会社なのね…
ふと気になってフロアを見渡したけど、人、少なくない？
明「人、少ないだろ？」
『そ、そうですね』
キョロキョロしてたの、気付かれちゃってた…恥ずかしい…
村「今、２課と３課がでっかいプロジェクト入ってて、みんな客先行っとんねん」
安「そうそう、静かでえ〜よ〜、仕事も捗るわ」
明「君達が本格的に配属になる頃には、みんな帰ってくるんじゃないかな？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひ み さ | 作成日時：2018年8月9日 14時
