010声に磨きがかかったね ページ10
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「待ってたよ...♣︎」
「あらヒソカ。声に磨きがかかったじゃない。変態度でも増したのかしら?」
相変わらず手厳しいね、などと言いながら露ほども堪えた気配のなヒソカにAはため息をついた。イルミも気が乗らない誘いだったようで嫌そうな気配を隠そうという努力が全くもって見えない。
「何か用? オレもメルも忙しいんだけど」
「...❤︎」
さっさと言わないと刺すよ、と針を構えるイルミを見て挑発するように不気味な笑みを顔に浮かべるとようゆく口を開く。タイムリーで盗聴疑惑すら浮かぶ話題だった。
「ハンター試験を受けようと思ってね♦︎」
「私とイルも受けるつもりだけど」
「なら話が早い、協力しないかい?」
イルに合わせるよ、と言わんばかりの視線を片割れから向けられたAは顎にそっと人差し指を宛てがう。つかの間逡巡する様子を見せた後に唇が弧を描いて閉じる。
「いいわよ、ただお願いがあるの。私が持ってるハンター証探して欲しいの」
かくかくしかじかで...と経緯を説明するとどうやら移動先に心当たりがあるようで、いいよ、と上機嫌な答えが返ってくる。やけに上機嫌なヒソカに首を傾げつつAは踵を返した。
片割れにちょっかいをかけるヒソカを視界の端に映しこみながら。
「ヒソカにはAはやらないよ。....特にヒソカには」
「おやおや...兄弟揃って手厳しいね❤︎」
──────────────
目の前に広がる紅。腹を押えて蹲る弟、ミルキと顔から血をとめどなく流す母、キキョウ。家に入った瞬間何処からか漂う血の匂いに眉を顰めればこれだ。
どうしたものか、と思案した後に伺うようにしてイルミを見る。犯人は分かっていた。彼らの弟の1人、キルア。
「...殺し屋として腕を上げてきたことを喜ぶべき?」
「キルアの様子を見てきてくれ」
広く無機質な部屋に座る父を見てメルイとイルミは頷いた。今頃弟は外の世界をあますことなく謳歌していることだろう。
早く連れ戻さなければ外を知ってしまう。
いい出会いがありますように。
ゾルディックの双璧。
2人の思考はここで両極へと移動する。
「うん、まずは試験かな」
「...えぇ、そうね」
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のの - めっちゃ好きです、再度失礼しますー!! 応援してます!! (12月11日 16時) (レス) @page9 id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです、頑張ってください!!絶対と内容がほんとに好き…… (12月9日 20時) (レス) @page7 id: a89e9c6a81 (このIDを非表示/違反報告)
hxin - がんばって、すき (12月9日 8時) (レス) @page5 id: eab9e2d2e5 (このIDを非表示/違反報告)
fille - すここ (12月8日 22時) (レス) id: 1bf7c70f46 (このIDを非表示/違反報告)
のの - おもしろーいです!! 頑張って! (12月8日 19時) (レス) @page5 id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)
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