009ひょっこりはんセコム ページ9
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長い山道をショートカットしようと木を伝って行く。家を出る時に丁度キルアに会ったから「帰り遅くなるかも」とだけ言付けて来た。
山道を抜けて門の外へ行くと案の定、想定していた人物がそこに居た。特徴的な服、髪、理知的な瞳にどこかカリスマ性を感じる佇まい。
「や、クロロ。何か用？」
「大分先にはなりそうだが依頼だよ。...今日はセコム居ないんだ」
人の兄をセコムと呼ばないで頂きたい。と言ってもセコムなのは多分、というか絶対間違ってないから仕方がない。ふぅん、で？蜘蛛の依頼？と聞くと肯定の意が返ってくる。
「私は蜘蛛として動いた方がいい？それともゾルディックとして？」
「...両方、かな」
何を考えているか分かりにくい顔をしていながらどうせ脳内ではえげつないほどの思考が拡がっているんだろう。了解、とだけ返すと詳しい話を聞くことに徹する。
動機の言語化は下手くそなくせに頭の出来はお上手なのだから意味がわからない。
「ヨークシンでオークションがあるだろう？ そこで宝をかっ攫う」
「...全部？」
「そうだ」
つまり私はそこで団員のブレーキ、監視、援護をしながらクロロの護衛をすればいい、そういうこと？
今のところはね、と返ってきてしょうがないと肩を竦める。不透明な依頼で私を仮予約するなんて、こいつも大概ね。
分かった、と返事をしようとすると後ろから気配を感じる。真っ直ぐに私とクロロを見ていて隠そうとしていない。かと言って敵意も感じない。
「イルミ？ どうしたの」
「別に。仕事があってメルも連れて来いってさ」
「おや、保護者の出迎えか？」
みたいね、とクロロに零すと大変だな、というメッセージを視線だけで受け止める。20年以上もイルミの片割れをやっているの、慣れているわよ。
「ま、良いわよ。その依頼受けてあげる。その代わりなんだけどハンター証探してくれない？私が持ってた...師匠の証」
「失くしたのか？」
「盗られたの」
よろしくね、と一言頼むと小さくなり始めたイルミの背中を追いかける。クロロは分かった、と呟くと姿が掻き消えるようにして居なくなった。...ご大層な念能力ですこと。
門の前には掃除夫の男と突き刺さった1本の針だけが残された。
丁度、クロロが居た場所である。
「...このセコムめ」
「何か言った？」
「いーえ、なにも」
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のの - めっちゃ好きです、再度失礼しますー！！ 応援してます！！ (12月11日 16時) (
レス) @page9 id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです、頑張ってください！！絶対と内容がほんとに好き…… (12月9日 20時) (レス) @page7 id: a89e9c6a81 (このIDを非表示/違反報告)
hxin - がんばって、すき (12月9日 8時) (レス) @page5 id: eab9e2d2e5 (このIDを非表示/違反報告)
fille - すここ (12月8日 22時) (レス) id: 1bf7c70f46 (このIDを非表示/違反報告)
のの - おもしろーいです！！ 頑張って！ (12月8日 19時) (レス) @page5 id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)
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