検索窓
今日:38 hit、昨日:29 hit、合計:10,312 hit

007いひゃいれす ページ7

.



 あぁ、感覚がなくなってきた。痛いを通り越して感覚が麻痺し始める。目の前で無表情ながら不機嫌な雰囲気を醸し出している元凶を見た。


「約束守れない子に説教するのは当たり前だよ。まだ躾が欲しいの?」

「その節は本当に反省してると思うんだけどどう思う?」

「反省してないね。追加要る?」



 家に帰った瞬間、父さんにため息をつかれ、母さんにはヒステリックに抱きつかれ、じいちゃんにはポンポンと肩を叩かれた。挙句の果てには兄に頬を千切られる寸前。


「...別ルートで依頼受けてすみませんでした」


 私の依頼相手は特定に絞られる。ミルキが作ったサイトにアクセスし、罠を潜り抜け、暗証番号を手に入れた人間だけが「入場券」を手に入れられる。


 その入場券を使って別のサイトにアクセスし、更に罠を潜り抜けた人間のみが私に依頼をすることが出来る仕組み。


 家まで押しかけた人間は追い返される。



「サイトからじゃないなら何処で依頼受けたの? 掃除係が家の前には来てないって言ってる」

「家の前には来てないわよ。相手の顔知らないもの」



 何故私に接触してきたのかも分からない。あのギミックを知っている人間は私とあの人達しか居ないもの。どうして?


 前回は正規ルートだったのに。

 沸沸と湧き出てくる疑問は尽きることなく膨らんで高く高く昇っていく。



「顔も知らない人間からの依頼受けたの? 生粋の馬鹿だね、ダメって言ってるのに懲りてないんだ」


いひゃいれす。はんへいひへるのでやめてくだはい(痛いです。反省してるので止めてください)



 頬がギチギチと、鳴らしてはいけない音を鳴らしている。これ以上引っ張られると私の頬は両方ともお亡くなりになってしまうじゃない。


 ジャポンのアンパンで出来たヒーローの弱った姿が出来てしまう。...あれ、カレーパンだっけ。


「で、本題。メルの師匠、とかいう人の証持ってたよね。アレは持ち主以外も使えるの」


「使えないわよ。見る?なんか色々機能が詰め込まれてい....て、」


 冷や汗が頬を伝って床にぽたりと落ちる。絨毯に染み込んだそれは赤の絨毯を更に赤く円形に染めてゆく。最悪の予想が脳内を何万通りと駆け抜けていった。


 能力使って場所が分かるようにはしてあるし、大丈夫だと思うんだけど...いや、大丈夫じゃないか。






「イルミ。……ハンター証盗られた」

008窃盗→←006設定



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
119人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

のの - めっちゃ好きです、再度失礼しますー!! 応援してます!! (12月11日 16時) (レス) @page9 id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)
ふぃあろ(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです、頑張ってください!!絶対と内容がほんとに好き…… (12月9日 20時) (レス) @page7 id: a89e9c6a81 (このIDを非表示/違反報告)
hxin - がんばって、すき (12月9日 8時) (レス) @page5 id: eab9e2d2e5 (このIDを非表示/違反報告)
fille - すここ (12月8日 22時) (レス) id: 1bf7c70f46 (このIDを非表示/違反報告)
のの - おもしろーいです!! 頑張って! (12月8日 19時) (レス) @page5 id: 4685323d64 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:さくにょ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年12月8日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。